アシックスは22日、欧州を中心にレース登録のプラットフォームサービスを行うニューコ(njuko SAS)の発行決済株式の全てを取得し、子会社化した。欧州のランナーとのタッチポイントを増やし、店舗やECの集客、計測アプリやトレーニングコンテンツの利用者増などを狙う。22日に投資家向け説明会に登壇した廣田康人社長は、「今回の買収で世界中のランナーをカバーできるようになった。(各地域に根付いた)企業のサービスを通して、アシックスの商品やサービスを知ってもらい、ライフタイム(人生)を通じてわれわれの仲間になってもらいたい。ランナーによるフィードバックは、われわれのさらなる成長にもつながる」と話す。
ニューコは、年間登録者数330万を超える欧州最大のレース登録プラットフォームだ。2012年にフランスで設立し、大会によって登録や決済方法をカスタマイズできるほか、複数言語や通貨にも対応するのを強みとして、フランス、イギリス、イタリア、ドイツなどでサービスを提供している。
アシックスは近年、各地域のレース登録会社を買収してきた。19年のカナダのレースロースター(Race Roaster)を皮切りに、21年には豪のレジスターナウ(Register Now)を、今年8月には国内最大のランニングプラットフォームであるアールビーズを子会社化した。今回買収したニューコを含めて、各企業のサービスをアシックスの無料会員サービス「ワンアシックス(OneASICS)」と連携することで、レース、トレーニング、商品をトータルでサポートし、ロイヤルカスタマーの獲得を目指す。