ユニクロは12月9日の発売に先駆けて、イタリアのファッションブランド「マルニ(MARNI)」とのコラボレーションコレクション「ユニクロ アンド マルニ(UNIQLO AND MARNI)」の2022-23年秋冬物を公開しました。22年春夏に続く2シーズン目のコラボですが、「マルニ」手掛けるフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)とユニクロ側との意思疎通がさらに進んで、いっそうパワーアップしている印象。“ヒートテック”やダウンといったユニクロ強みの商品から、バラクラバ、スカーフといった「マルニ」コラボだからこそのアイテムまで、充実したラインアップになっています。
半年前に「マルニ」との1回目のコラボが発表された際、ユニクロのR&D責任者でコラボ仕掛け人でもある勝田幸宏ファーストリテイリンググループ執行役員を取材しました。その際、「『マルニ』とのコラボは、“春夏シーズンについては”お互いにアイデアを出し尽くした」と語っていたので、「……ということは秋冬は続ける気なのか?」と思っていましたが、やはり続きがありましたね。
しかも、ユニクロのコラボは「ユニクロ アンド マメ クロゴウチ(UNIQLO AND MAME KUROGOUCHI)」しかり、「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン(UNIQLO AND JW ANDERSON)」しかりですが、継続していく中でアイデアがより磨かれて良くなっていっていると感じるものが多い。コラボって、一瞬の花火のように盛り上がる単発のケースか、回数を重ねることでダレてくるケースが世の中一般では多いような気がするので、なかなか特異な例ですよね。
鮮やかな色柄で「日常にアートを」
さて、2シーズン目の「マルニ」コラボは全26型。前シーズンから6型増えていますが、メンズの展開はなくなりウィメンズのみとなりました。と言っても、アウターやニット、ボトムスはオーバーサイズ中心なので男性も問題なく着られそうですから男性ファンもご安心ください。初回コラボでも打ち出していた「日常の中にアートを取り入れる」というコンセプトは踏襲し、エネルギーあふれる色柄が今回も主役。単色アイテムはボトムの2型しかありません。柄は前回の手描きフラワーも印象的でしたが、今回は手描きのボーダーやマーブル、ブロックといったより抽象的な柄になっているので、大胆でありつつもより幅広い層が楽しめるものだなと感じます。
今回のコラボで発売前から大きく注目を集めている商品の1つがバラクラバ。「地方のテレビ局などからも問い合わせがきて、ネットニュースでも大きく取り上げられた」(広報担当者)というアイテムで、ちょっとしたバズワード化していますが、「バラクラバって何?」という方もまだまだ多いと思います。バラクラバは本来目出し帽を指しますが、最近はフード付きネックウォーマーなどもバラクラバと呼ぶようになっていて、「ミュウミュウ(MIU MIU)」や「グッチ(GUCCI)」のランウエイ、韓国ファッションなどの影響で22-23年秋冬の注目アイテムとは言われています(「マルニ」の22-23年秋冬のランウエイにも登場していました)。
とは言え、多くの人にとっては実際に購入して挑戦してみるのはちょっと勇気がいりますよね。それが、「ユニクロ アンド マルニ」はカラーブロックのポップコーンニットで作ったバラクラバを1990円で企画しています。ほかに、フード付きのロングマフラー(2990円)もあり、顔まわりにボリュームを出す旬のスタイリングに気軽に挑戦することが可能です。シルク100%の総柄スカーフは6色を展開(各1万2000円)。90センチ×90センチと大判で、ファッションアイテムとしてだけでなく、風呂敷のような包装具としての使い方も提案しています。日本のEC限定で、6色全てを詰め合わせたコンプリートセットも販売します。
アウター感覚の総柄“ヒートテック”も話題
“ヒートテック”のタートルネックトップス(1990円)やレギンス(1990円)は、部位ごとに色を切り替えたカラーブロックデザインと、総柄プリントがずらり。総柄は流行りの“セカンドスキン”トップスのような感覚で、防寒のためのアンダーウエアではなく、レイヤードアイテムとしての「見せる“ヒートテック”」となっているのが特徴です。ダウンはジャケット(1万7900円)とベスト(9990円)の2型を企画しており、どちらもかなりオーバーサイズな作りですが、ダウンの中でも総柄のブロック柄プリントがプレイフルなジャケットは、フランチェスコ肝煎りのアイテムだそうです。
ニットは古着のようなレトロカラーのベスト(2990円)やミックスヤーンのジップアップパーカ(5990円)、カシミヤ100%のボーダー柄タートルネック(1万2900円)、ちょっとサイケな感覚漂うボーダー柄フレアパンツ(4990円)など。前述のバラクラバやフード付きマフラーもそうですが、キャップや手袋などもウエアと同じニット素材で多数そろうのでトータルコーディネートがかなうのも嬉しいところです。
ウエアとおそろいのお手頃雑貨が充実
以上のように2シーズン目の「ユニクロ アンド マルニ」を紹介してきましたが、主張の強い色柄アイテム中心のため、「これは私には着こなせない」と思った方も少なくないのではないでしょうか。実際、ルックブックよろしく全身でこれらの商品を着こなせる人はかなりのおしゃれ上級者だと思います。その点はご安心ください、ユニクロのショールームでは既存ラインのベーシックアイテムとコラボアイテムのミックスコーディネートもしっかり提案していました。例えば、ボーダー柄のマフラーやスカーフを1点だけ取り入れた着こなしならば、老若男女が挑戦できそうです。
ホリデーシーズンのギフトニーズを狙って、買いやすい雑貨を充実させているのも今回のコラボの特徴。そうした雑貨を中心に、通常のユニクロ商品ともあまり変わらない価格帯であることも嬉しいポイントですね。