「サンローラン(SAINT LAURENT)」が好調だ。親会社ケリング(KERING)が擁するブランドの中でも、その業績の伸びは群を抜いている。そうした折、創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の“盟友”であるベティ・カトルー(Betty Catroux)に焦点を当てた巡回展「BETTY CATROUX YVES SAINT LAURENT 唯一無二の女性展」を12月11日まで東京・天王洲アイルで開催。約10年にわたって同ブランドをビジネス面で率いているフランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)社長兼最高経営責任者(CEO)に、ブランドの事業戦略やビジョンについて聞いた。
WWD:2021年12月通期決算で、「サンローラン」は前期比44.5%増の25億2100万ユーロ(約3605億円)と記録的な売り上げとなった。また、22年1~6月期決算でも前年同期比41.5%増の14億8100万ユーロ(約2117億円)と快進撃を続けているが、その要因は?
フランチェスカ・ベレッティーニ社長兼CEO(以下、ベレッティーニ):21年や22年上半期に引き続き、7~9月期も同40%(現地通貨ベースでは同30%)増収となり、1~9月の売上高は24億ユーロ(約3432億円)だった。全ての製品カテゴリーおよび販売チャネルで好調で、小売り戦略が奏功している。欧州では観光客が戻ってきているが、当ブランドは現地顧客にフォーカスしており、各市場で売り上げが引き続き伸びていることをうれしく思っている。何より、「サンローラン」のブランドイメージやポジショニングの面で妥協することなく業績を上げていることを誇らしく思う。
WWD:成功を生んだ戦略について、具体的に教えてほしい。
ベレッティーニ:事業戦略は、クリエイティビティーを中心に据え、ブランドのポジショニングを守り、現地の顧客とのエンゲージメントに注力し、商品の流通を厳密に管理することなどの原則に基づいて策定している。短期的に利益を上げるのではなく、長期的な成功のために行うべきことにコミットすることが重要だ。
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