三陽商会が運営するセレクトショップ「ラブレス(LOVELESS)」は、旗艦店の「ラブレス 青山」の移設オープン3周年を記念し、ファッションデザイナーやクリエイターと協業した限定商品を11月30日に発売した。
商品は全5種。取り扱いブランドの「ダブレット(DOUBLET)」にネルシャツ(3万8500円)、「ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)」にクラッシュベロアトップス(2万5300円)、「ヨシオクボ(YOSHIOKUBO)」に半袖Tシャツ(7500円)と長袖Tシャツ(1万2000円)をそれぞれ別注した。ニューヨークを拠点とするイラストレーターのジュン・イナガワが描き下ろしたグラフィックを施したキャップ(6600円)とバンダナ(3300円)も販売する。「ノーマティーディー(NOMA T.D.)」は、実店舗を持たない古着店「ウィーバー(WEBER)」と協業し、写真家・森山大道の作品をプリントしたTシャツ(9900円)を制作した。
新客獲得とコアなファン作り
両輪で復活の道筋を描く
同社はラブレス事業浮上の起爆剤にすべく、「ラブレス 青山」を2019年11月に青山のみゆき通りから現在地に移転。しかし間もなくコロナ禍に直面し、出鼻をくじかれた。
だが光明も見えてきた。足元では新型コロナの影響緩和とともに客足が戻りつつある。11月の売上高は、移設オープンしたコロナ前の19年同月とほぼ同水準まで回復した。「コロナ禍は試練だったが、その中で撒いてきた種が実を結びつつある」と並木君典・コーポレートブランドビジネス部 ラブレス担当部長。店舗移設後、国内デザイナーズブランドの買い付けを強化し、「(ファッションシーンの)“旬”を切り取るラインアップ」に軸足を移したことで新客獲得につながった。
顧客のエンゲージメント強化も進める。今回の3周年企画は、気鋭のクリエイターやデザイナーと協業することで、コアなファッションやカルチャーを好む層に向けた発信を意識した。並木部長は「トレンドやカルチャーが入り混じり、いい意味で統一感のない『カオス感』で深いファンを作る。ここ(青山店)での成功事例を他店にも広げていきたい」と話す。