広海:HIROMI/Hi Inc. CEO、マーケティングディレクター
PROFILE:本名は長谷川堅二。1989年11月29日生まれ、三重県出身。深海(FUKAMI)とは一卵性双生児。10代半ばに家出して自活。調理師免許を取得。「笑っていいとも!」の素人参加コーナー「花より双子」への出演がキッカケでスカウトされ、2008年にドラマデビュー。ファッション・ビューティに精通する双子タレントとして「次世代のおすぎとピーコ」として注目を集める。2016年からリデルでインターンをし、後に社員に。2018年デジタルマーケティング会社Hi Inc.を設立。東京服飾専門学校講師も務める
双子のオネエ系タレントとしてテレビや舞台に出る一方、イベントのMCとしても活動していたHIROMI・FUKAMI(広海・深海)。彼らは今、ファッション&ビューティ業界のプロフェッショナルとして活躍している。FUKAMIがスタイリストとして活動の幅を広げ、ブランドのクリエイティブディレクションなども手がける一方で、HIROMIは2018年にデジタルマーケティング企業の株式会社Hiを設立して代表取締役に就任。国内外のビューティやラグジュアリーブランドなどの企画ディレクションやクリエイティブ、キャスティングなどを担い、設立5年で年商10億円を超えるほど手腕を発揮している。また、2人の“ぶっちゃける”インスタライブやYouTubeも人気で、彼らが「友の会」と呼ぶファンたちは20~50代まで幅広く、バリキャリ女子も多い。エンゲージメントが高く評価も高まっている。今回はビジネスパーソンとしてのHIROMIにスポットを当て、彼のキャリアや仕事に対峙する姿勢、さらには、今の時代に求められるマーケティング考察について聞いた。
――Hiの企業サイトを見ると、クライアントにはビューティ系でロレアルグループ(L'OREAL)、P&Gグループ、資生堂グループエスティロダー(ESTEE LAUDER)グループ、ファッション系ではLVMHグループ、ギャップ(GAP)、変わり種では味の素(AJINOMOTO)など大手がずらりと並んでいる。ズバリ、Hiが頼られ、仕事の依頼が来るのはなぜか?
HIROMI:「僕らの強みはこれです!」といえるものは実はあまりなくて……。
でも、しいて言えば「忖度しないこと」と「着地力」かもしれません。忖度は昔からしないタイプでしたが、仕事はより、シビアに。クライアントさんに寄り添うことも重要ですがイエスマンになってはいけないと思っています。しっくりこなければ、こういう案もあるんじゃないか、と時間があれば再提案も繰り返し、一緒に最善策を模索します。
たとえ予算が3万円でも30万円でも、300万円でも3000万円でも、同じように一緒に費用対効果を高めることを考えます。結果は絶対に出さなきゃダメ!をモットーに、違うと思ったら「本当にそれでいいの?」と疑問を投げかけ、一緒に悩みます。正直、『もうこれでいいかな』って思ってしまうこともあると思うのです。でもそこは奮い立たせて本当にこれが最善か、もうできることはないかを一緒に最後の最後まで粘って担当者の人と一緒に考え、施策を最大化し着地まで持っていくことを意識しています。
信頼のミルフィーユを積み重ねる
HIROMI:社員にも、「寄り添うことは重要だけどイエスマンになる必要はない」「クライアント様と真摯に向き合い結果を出す」と伝えています。予算が高いとか低いとか、工数で考えるのではなく、一つひとつのお仕事で結果を出す。それが次のお仕事につながると僕らは考えています。そういった“信頼と結果のミルフィーユ”でお仕事をいただけているんだと思います。
だから、僕たちは営業したことがないんですけど、クライアントさんからの仕事がキャスティングだけだったものが広告枠の買い付け以外ほぼ全部、とか、既存のクライアントは引き続きお仕事させていただきつつ、担当者さんが部署や会社が変わって転職した先からも新しいお仕事をいただいたり、大手企業と並んでコンペに参加してほしいと言われたりして、仕事が増えていったという感じですね。
真摯にクライアントと付き合いきちんと結果を出すことによって、ミルフィーユのように信頼が積み重なり、次の仕事に繋がりっていく。デジタル化が進んでる世の中ですが、この方針というか考え方は今も昔も未来も同じでずっと大切にしていくモノだと感じてます。
――マーケティングやコンサルティングでの新しいリーダーシップの形なのかもしれませんね。ではあらためて、Hi.incとは何屋さんなんのか?
HIROMI:基本的には何でも屋ですね(笑)。だけど私たちに期待されるのは、「今」へのマッチングなんじゃないでしょうか。最も重要にしていることはトレンドになりすぎたものは落ちていくだけ、なので「その一歩手前をつかむ」そんなことじゃないでしょうか。
やっぱり僕もそうですが女性は情緒的なものが好きだから。数字に強い人々だと優秀だけど、数字やデータを信じすぎてしまってこれから来るトレンドやセンスみたいなものは無視しがち。女性の心って移ろいやすいモノだと思うんですよね。だから情緒と数字のバランスを取ることはとても難しいけれど、自分達の知見と数字を生かしながらバランスよく見ることが必要で、そこが僕たちが得意なところかなとも思っています。
そして田舎出身っていうのも引き合いになってる要素かも。都心からの企画・発信が常なので、エクスクルーシブでとがった企画が多々ありますが、エッセンスとして実は全国に住む人々が喜んでくれるようなマスに刺さるプロモーションも意識する必要があります。その視点が持てるかが重要かと思っています。花火みたいな華やかで刹那的なプロモーションも楽しいですが、これからは本質的なものしか残っていかない気がします。歴史あるブランドが展覧会でレガシーやヒストリーをしっかりと伝えたり、現代アートとコラボレーションしたりと根がしっかりしたものは普遍的ですよね。
あとは代理店さんに近い領域もやってますね。大手の代理店と同じコンペにも入るし、一喜一憂しています。具体的にはイベントや広告、CMのキャスティングや、企業やブランド、プロジェクトのコミュニケーション・プランのディレクションや実施などがメインになります。ただし、クライアントのブランドや企業の看板を活用して仕事をさせていただいているので、僕たちだけがすごいことなんてぜんぜんなくて。全部お相手のふんどしをお借りしないとできないような仕事ばかりなので、そのブランドの価値を少しでも高められるように、サービスや製品が欲しいと思う人が増えるように、真摯に頑張ってます(笑)。
何でも屋の僕らが特に大切にしてることは、先ほどもお話しした通り、新しいサービスやビジネスや製品を世に出していくときに、どうやったらお客さまに響くか、ちゃんと伝わるかをクライアントの方々と一緒に考えて実践していくことです。
――なるほど。では、マーケティングの仕事の魅力は何か?
HIROMI:マーケティングとは、究極、「人の心に響かせること」だと思っています。統計学の素養も必要だし、時代の流れを読まなければならないし、未来を見る力が重要ですよね。直感と、経験も必要です。マーケの仕事にはデモグラ(デモグラフィック。人口統計学的属性)などのデータマーケティングもありますが、僕はインサイトマーケティングのほうが得意です。ターゲットとする女子が「こう思う」「こうは思わない」とか、どうだったら響くのか、動くのかなどを想定するのが好きで。その反復で精度を上げながら、ターゲットを深掘りしたり、その子たちに流行っているものは何なのかを探ったり、目指している女性像や刺さるコンテンツを考えるのが好きですね。しかも、それらはみんな流動的だからこそ面白い。今仕込んでいるものは数カ月後や1年後といった未来のものですし、その時期だったらこんなことを考えているのだろうなとか想像することにワクワクします。そして、僕自身が、見たことのないもの、既視感のないものを見てみたい、やってみたい、新しいコトや表現を体験してみたい、実現したいという想いが一番強くて、それを楽しめているのかなとも思っています。
ゲイでADHDの僕。インフルエンサーマーケティングのリデル社での経験で感覚・直感にロジックを融合
――タレント業からビジネスの道に転身したきっかけは?
HIROMI:25歳のとき、気づかず溜まったリボ払いがMAXになり、借金が500万円まで膨らんでしまったんですよ(苦笑)。「稼がなきゃ!働かなきゃ!」と焦って、東京ガールズコレクション(TGC)初代チーフプロデューサーで今も弊社の顧問をお願いしている、マーケティングやPRのコンサルをされている永谷亜矢子さんに相談したところ、「あなたはユーザーを読み解くセンスが良くて勘がいいから、マーケティングの仕事に向いている。だからインフルエンサーマーケティングのリデルという会社でインターンしてみたら」とアドバイスと紹介をしてくださり、リデルの福田晃一社長を紹介してくれたんです。ただの双子のオカマのタレントでしかなかった僕に、マーケティングの道を開いてくれた永谷さんと、ちゃんと勉強させたら少しは使い物になるかもと期待して拾ってくれた福田社長にはとても感謝をしています。
――リデルで学んだこと、教えてもらったことは何か?
HIROMI:インターンから始めて、会社で働くことのイロハ、デジタルマーケティングのこと、お金の稼ぎ方のノウハウや、説得力を高めるロジカルな組み立て方をしっかり教えてもらいました。僕はADHDでLGBTQなので、とても感情的で感覚的で、「キモイ」か、「キモくない」「素敵」かそうじゃないかというのが判断基準だったんです(笑)。でも、福田さんはとてもセンスもロジックも忍耐力もある方で、「えーっと、それってどうキモイの?もっと掘り下げて教えて?」と言語化してロジカルに説明するトレーニングをしてくれたんです。
それから自分の思いや考えを対外的にお伝えしやすくなりましたし、仕事の幅もすごく広がりました。3年間働いて、チャレンジするつもりで独立しました。
――会社の現状と、できれば稼ぎの内訳まで聞いてみたい。
HIROMI:(笑)。2018年に設立し、ありがたいことに、5期目で一つの目標にしていた年商10億円に到達しました。スタッフは6人(業務提携含めると10名)で、企画、マーケティング、キャスティング、撮影やイベントなどの制作、が大半を占めており、FUKAMIちゃんがブランドディレクターを務める年2回の完全受注型のファッションブランド「ウィークエンド(WEEKEND)」を中心とした物販、FUKAMIちゃん含めたクリエイターのエージェント業務が残りの収益となります。FUKAMIちゃんは今までTGC等で培ったMCの経験をもとにライブ配信の分野でもとても活躍しています。
――インスタライブやYouTubeが好調だが、フォロワーや視聴者が増えたきっかけは?
HIROMI:インスタライブで「友の会」(フォロワーや視聴者などのファン)の方々が爆発的に増えたのは、コロナ禍になってFUKAMIちゃんと一緒に住んだことがきっかけです。会社設立2年目で借金も返し終え、少し蓄えもできるようになったタイミングで、コロナで仕事も減り、最初はどうしよう!!という気持ちもあったのですが、在宅時間が長くなり自分のあり方を見つめ直したとき、「そのままでいっか!」と思えたんです。それで、時間もあったし、FUKAMIちゃんと「インスタライブでもやってみる?」ってなんとなく軽い気持ちで始めたんです。
ただし、一つだけ決めたルールが「そのままでやること」でした。普段の生活とまるっきり同じテンションで毎日夜ごはんや寝るまでのリラックスタイムなどに合わせてリアルな私たちのそのままをさらけ出していきました。お金の話もするし、だらだらもするし、最近のお気に入りや買ったものも紹介する。超フラットに「あれキモイ」「それ嫌い」など完全なる個人の主観でバッサリダメ出しもする。ちょっとしたガチャガチャした世間をお騒がせはしないリアリティーショーみたいな感じです(笑)。
でも、それが逆にウケたのか、「友の会」の方が急に増えたんです。コロナで時間を持て余したり、悩みやストレスを抱える方々などが見てくれて、応援してくれるようになったんです。お金の話や買い物の話も赤裸々にするし、バッサリ切るのも痛快だったのかも。意外かもしれませんが、バリキャリのお姉さんが多いのも特徴かもしれませんね。タレント時代には「こういうものが求められているのでは?」と、ちょっとオカマのキャラを強めてみたり、期待に応えるつもりで試行錯誤してみたのですが、芸能界ではあんまりうまくいかなくて。それが、今、ありのままでやったらウケたという。時代の変化もあるんでしょうね。それを見てくれていた出版社のワニブックスの方がウェブ連載のお話をくださって。それをまとめた書籍「むすんでひらいて」を今年5月に出版させていただき、3回も重版しました。これも「友の会」のおかげです。
そして本業の方もコロナになって、最初は暇だったのですが、各社がコロナをきっかけにデジタルにフォーカスし始めて、インフルエンサービジネスや、インスタライブやTikTok、ユーチューブ等のSNSにより注目が集まるようになって、お仕事も増えて。気付けばコロナ前に比べて売り上げが3倍以上になったので、コロナ禍は試練でもあり追い風にもなりました。
――「ありのままで」がなぜ受けたのだと思う?
HIROMI:嘘じゃなく全部本当のことだから。みんな嘘のコンテンツが嫌になったり作り込んだコンテンツに飽きてしまったんだと思うんです。だから、自分たちの仕事でマーケやプランニングをするときにも、「もうそんなに作り込んだものは求められていない」ことを理解したうえで企画するように心がけています。20年前なら情報も少なくてカスタマーのデジタルリテラシーも低かったけれども、今はなんでもすぐに検索できるし、もう嘘なんかつけない。何よりも、期待や理想を高くし過ぎると、そうでもないことに気付いたときの落胆が激しくなってしまいますよね。楽しんでもらいたいとか喜んでもらいたいという気持ちはありつつも、期待させすぎないこと、嘘はつかないリアルさが大切な時代なんだと思います。
もう嘘はいらない。「ありのままで」「リアル」が受けるワケ
――なるほど。他にも今、マーケティングで感じている時代の潮流とは?
HIROMI:グローバルブランドとのお付き合いが多いのですが、グローバルのレギュレーションと今の日本との状況が全然違いすぎて驚きます。海外はまだインフルエンサーやセレブリティが強くて、彼らが持てば簡単に売れる状況にあります。それはトップ・オブ・トップの絶対的人気のセレブリティがいるから。でも、日本はタレントもモデルも俳優もアスリートもアーティストも、YouTuberもTikTokerもインスタグラマーもいてそれぞれに人気があるけれど、細分化してトレンドが薄く広がってしまっている状態なんです。だから、勘のいい会社はローカライズの重要性に気付いて、かなり日本独自のマーケや広告などを打ち出すようになっています。それに、イベントなどだと、テレビ向けのインパクトも、ソーシャルのインパクトも獲得できるハイブリットなキャスティングが求められるので、難易度が高まっていると感じます。
そして特に強く思うのは、ありのまま(リアル)、にもつながるのですが、リアリティのあるものをみんなが求めだしているということ。これは真剣にとらえたほうがいいですね。とくに、ジェンダーZ(Z世代)の人々の中には、ビッグネームやビッグブランドはあまり好まないという人が増えている気がします。これ、僕らより上の世代からみるとびっくりですよね。
ただ、誰もが知るメゾンブランドなどのレガシーがあるトップブランドや、本質的な圧倒的付加価値のあるブランドは好きという一面もありますよね。
なので小さいブランドが頑張ってSDGsやサステナブルな貢献をしていることに対して好感を持って購入する傾向にあります。10年前から言われてきましたが、「ミドル層がなくなる」ことにもつながっているとも思います。たとえば、すごいセレブリティを呼んできて、その時の売上げにつながったとしても、ブランディングはできなかった、というケースもありますよね。そのブランドのエクイティというか、持っているレガシーをみんな見るし、本当にブランドにマッチしているかどうか、生真面目さ?みたいなものが買う意味になる。日本の消費者行動はとくにこちらに重きが置かれている気がします。
そして、広告でもインスタライブでも、エンゲージメントが測れてしまう時代。有名なタレントの方でもぜんぜんビュー数が出ない方もいますし、逆に知名度はそれほどなくてもファンがついていたり、コメント欄にも活気があったり温かかったり。実際にモノが売れるかどうかも一目瞭然です。何もかも見えてしまう時代の今、「認知」よりも「人気」がある人を探すことが重要ですね。
――最近手がけた仕事でとくに面白かったものやバズったものなどは?
HIROMI:たくさんありますが、「ギャップ」は面白いですね。担当者さんがいい意味でクレイジーなんです。最初はFUKAMIのスタイリングのお仕事から始まって、最近では、あんなに大きい会社なのにうちに制作、キャスティング、クリエイティブ、OOH(屋外広告)など、広告のバイイング以外のほとんどのお仕事を任せてくれています。キャンペーンに窪塚洋介さんファミリーや、山田優さんやSHIHOさんの母娘、冨永愛さんと息子さんなど、人気のある著名人のリアルなファミリーや親子を起用したところ、すごく反響がありました。本物の家族起用は賛否を巻き起こすものなのですが、話題にもなり、売り上げにもつながりました。
またビューティーでは「ケラスターゼ」の広告が大きな話題になり、とても売り上げに貢献できたかと思います。宮脇咲良さんは、絶大な人気だけでなく、モノを動かす力があると直感し、IZ*ONE(アイズワン)を辞めた瞬間に、問い合わせて最初に広告に起用しケラスターゼの「ブロンド アブソリュ」でお仕事をご一緒させていただいていました。コロナ禍中で、韓国と日本と連携を取りながら、リモート撮影を敢行でしたので色々と苦労はありましたが結果、すご~く売れました。
他にも、注目ブランドのビューティの上陸や、旗艦店のオープンなど、多角的にお手伝いさせていただいています。
著書「むすんでひらいて」の印税をお世話になった児童相談所に寄付
――今年、著書「むすんでひらいて」(ワニブックス刊)を出版して、3重版になりました。印税はすべて、自身がお世話になった児童相談所に寄付したと?
HIROMI:はい。連載をまとめていただいたものなので、僕たちとしては書籍にしていただいてありがとうという気持ちだったので、印税はあんまり気にしていなくて。でもそれが誰かの役に立てるならと、お世話になった児童相談所に寄付することを決めました。僕たち、もともと両親の育児放棄で、祖父母に育ててもらいました。世の中的には極貧といわれるような状況だったんです。ただ、お金はなくても僕たちは僕たちなりに幸せでした。でも、施設に入れられて可哀想な子ってレッテルを貼られることに対して、僕は感情がコントロールできずに怒りまくっていて、深海ちゃんは失語症になって一言もしゃべらなくなって……。扱いづらかったと思います。
今回、先生たちがみんなお帰りと温かく歓迎してくれて、感謝状をいただき、講演までさせていただきました。送り出した子が戻ってきたのは初めてなんですって。子どもが大きくなると管轄部署が変わってしまうし、児相にお世話になっていたことを隠したい人も多いからだそうです。青山(東京都港区)に児相ができるときにも相当話題になりましたが、児相のイメージを払拭したり、独り立ちする子たちを支援するようなこともライフワークで取り組んでいきたいなと思っています。ちなみに「ギャップ」さんが、講演を聞きにいらしてくれた児童相談所、児童養護施設等の子どもたち全員に服をプレゼントしてくれました。当時欲しくても高くて買えなかった「ギャップ」さんとお仕事が実現できていることも幸せですし、僕たちの訪問は忘れても、「ギャップ」の服をもらって嬉しかったなという記憶が残ってくれたらよいなと思っています。
――今後、挑戦したいことや、力を入れていきたい分野は?
HIROMI:いまターゲットにしているのは、25~45歳という案件が多いので、自分と同じ世代の方々なので気持ちがわかります。でも、僕がキャッチできる年齢って、45歳ぐらいまでかなと。そう思うと、プランナーって薄命ですよね。仕事の精度を上げていくとか、喜んでもらえる人を増やしていくということには興味があるのですが、この先どうするか、本気で考えなくちゃいけないと思っています。5年間で実績やクレジットできる仕事はたくさん蓄積してきました。その経験や実績を活かして、そして、そんな僕らなりの、僕らならではの、地方の産業を盛り上げていくことであったり、ひいては日本を盛り上げていけるように、大袈裟で無謀かもしれませんがそんな分野にも挑戦していきたいです。