「ロンシャン(LONGCHAMP)」は1月3日、ベルギー生まれのアクセサリーデザイナーであるステファニー・ディヘラ(Stephanie d'Heygere)による「ディヘラ」とのコラボレーションコレクションの第2弾を発表した。日本では公式オンラインストアと表参道、銀座店で取り扱うほか、渋谷パルコでポップアップを開催中だ。ポップアップは世界に先駆けて2〜15日の期間限定で開催し、コラボコレクションの中からネイビーのアイテムが9日まで先行発売となる。コラボコレクションではブランドを代表するハンドバッグの“ル プリアージュ(Le Pliage)”の「折り畳む」というデザインの原点を生かし、メッセンジャーバッグ、トラベルバッグ、レインポンチョ、バケットハット、傘の5アイテムを手掛けた。デザイナーのディヘラが得意とするジェンダーフリーのアプローチとパリ生まれの「ロンシャン」のシックな側面が融合するコレクションの全容とは。ソフィ・ドゥラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)「ロンシャン」クリエイティブ・ディレクターとステファニー・ディヘラの対話を通して掘り下げる。
持ち運びもしやすく
あらゆる人の“動く”毎日を応援
「ロンシャン × ディヘラ(LONGCHAMP × D’HEYGERE)」コレクションは、実用的で遊び心をくすぐる5アイテムをブラック、ホワイト、ピンク、ネイビー、パンサーの5色で展開。いずれのアイテムも“ル プリアージュ”のシグネチャーパーツであるロシアンレザー製フラップがつき、メッセンジャーバッグは広げるとバックパックに、トラベルバッグはストラップを調整すると4WAYに、レインポンチョとバケットハットは折り紙のように折り畳め、傘は斜めがけにできる。両者が共有するサステナビリティへのコミットメントを、リサイクル素材を使用して表現している。
両者が語るコラボレーションの裏側
第2弾の思い入れとは?
Q:コラボレーションに至った背景は?
ソフィ・ドゥラフォンテーヌ「ロンシャン」クリエイティブ・ディレクター(以下、ドゥラフォンテーヌ):はじめてステファニーに会ったのは、4年前。「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award以下、ANDAM賞)」でのこと。そのとき彼女はアクセサリー賞を受賞していて、私は彼女の作品と彼女が作り出す世界にすっかり魅了された。彼女のデザインにはぶれないアイデンティティーだけではなく、「ロンシャン」にとっても大事な独創性がある。2019年に発表したコラボ第1弾のレインポンチョが好評を博し、今回さらなる可能性を追求しつつ、次のステップに進みたいと考えた。
ステファニー・ディヘラ(以下、ディヘラ):最初のコラボはとても良い記憶!レインポンチョをはじめ、“ル プリアージュ”のシグネチャーであるレザーを用いたアイテムを手掛けることができて光栄だ。
Q:アクセサリーデザイナーとしてファッションアイテムを手掛ける際に工夫したことは?
ディヘラ:デザインするときは、考えを深めるようにしている。ものをじっくり見て新しい機能を見いだすこと。日常使いのできるアイテムの可能性にはいつも驚かされる。定番アイテムには、別の角度から挑戦したくなるインスピレーションを与えてくれる美しさがある。ユーモアを通して驚きをもたらし、使用方法に意外性を与えることが好き。アイテムはオリジナルで機能的でなければいけないので、ただ美しいものを作るということはしない。
ドゥラフォンテーヌ:まさに、彼女のこれまでのデザインには印象に残るものがある。タバコホルダーにもなる指輪や、スカーフとしても使える手袋など。今回のカプセルコレクションでも多様な機能を見いだす才能がふんだんに生かされている。
「第2弾でこだわったのは、
よりジェンダーフリーであること」
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Q:今回のカプセルコレクションではどのように製品の多面性を表現している?
ドゥラフォンテーヌ:それぞれのアイテムにストーリーはあるが、全体のテーマは機能的で、ジェンダーニュートラルであること。複数の使い道ができる“ル プリアージュ”の特性を最大限に引き出し、“ひねり”を加えて機能性を高めている。
ディヘラ:傘はストラップ付きで持ち運びができるようにするなど、全部のアイテムがマルチに使えるようになっている。アパレルアイテムやアクセサリーの新しい使い方を開発して、日常をよりシンプルでミニマルに彩るよう意識した。「ロンシャン」はいつだって生活者の日常に寄り添ってきたし、このコレクションでさらにその創造性を押し広めている。
Q:年代・ジェンダーにかかわらずユニバーサルなターゲットを包括するよう工夫したことは?
ディヘラ:今回のコラボで一番楽しんだ部分だ。このカプセルコレクションは包括的でユニバーサルなデザインに仕上げ、誰が持ってもなじみ、みんなに持ってもらえるものを目指した。第2弾でこだわったのは、よりジェンダーフリーであること。アイテムのカッティングやディテールは、フェミニンでもマスキュリンでもない。
Q:コレクションには“ル プリアージュ”でも使用するリサイクルナイロンを用いている。その背景は?
ドゥラフォンテーヌ:設立当初から、丈夫な素材を使った製品作りにブランドの環境問題に対するコミットは常に表現されてきた。21年からは、“ル プリアージュ”に使うナイロンを全てリサイクル素材に移行するよう努めてきた。製品以外にも、パッケージングや流通でもコミットをしている。環境問題に対して行動を起こすことは「ロンシャン」が力を注いでいる部分であり、そうした働きによってディヘラとの協業にもつながった。レザーはLWG(レザーワーキンググループ)認証を得たものを使用し、カプセルコレクションの素材は全てリサイクル素材だ。
“ル プリアージュ”の
折り畳むを再解釈
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Q:毎日をアクティブに過ごす、あらゆる人の味方となるコラボコレクションを目指したというが、“動き”をコンセプトにしたコレクションの着想源は?
ドゥラフォンテーヌ:出発点は、19年に開発したレインポンチョ。今回はそれを拡大し、人々の“動き”に寄り添うアイテムをコレクション全体で生みたいと思った。ディヘラは「ロンシャン」のシックでクールなベーシックアイテムに一工夫をこらし、カラーやパンサー柄、マルチ使いが可能なデザインを通して、現代人のための自由と機能性をもたらした。
ディヘラ:「ロンシャン」のファンはいつだってアクティブ。活動的な人のダイナミックなライフスタイルを楽にするアイテムを手掛けたいという思いがインスピレーション源となった。パンサー柄は特にお気に入り。タイムレスな上に、心躍る遊び心がある。このコレクション全体のムードを体現するようだ。
Q:どのようなシーンを想定して開発した?
ディヘラ:すでに多くの都市では電気自転車や電動スクーターが取り入れられ、移動手段が進化している。撥水加工がなされ、軽量さを実現した本コレクションもこういった新しい手段に寄り添うものだ。
ドゥラフォンテーヌ:「ロンシャン」を普段から使う人は、都会的で移り変わりの多い生活を送っている。このコレクションはまさに移動や旅行にぴったり。丈夫で使い勝手の良いアイテムを紹介し、生活者に寄り添うことを目指した。手持ちや肩がけからクロスボディー、バックパックとしてなど、4通りに使えるバッグも用意し、あらゆる人のシーンや生活のスピードに合うようになっている。
ロンシャン・ジャパン
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