ファッション

明暗分かれる表参道&原宿 原宿はカルチャー発信源に戻れるか?

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 コロナ禍以降初めて、原宿&表参道の目抜き通りの路面店1階をリサーチした。抱いた印象は、ラグジュアリーとアウトドア&スポーツ、それに外資プレステージコスメという、ファッション&ビューティ業界で成長し続けるカテゴリーは、このエリアでも盤石だということ。結果、こうした店舗が軒を連ねる表参道は活況を呈し、明治通りやキャットストリートの原宿にごくごく近い渋谷側も堅調。一方、竹下通りやキャットストリートの千駄ヶ谷方面などの回復は遅い。(この記事はWWDジャパン2022年12月5日号からの抜粋です)

 ラグジュアリーは、表参道への旗艦店出店というビッグニュースのみならず、週末を中心とする日々の行列まで含めて、界隈に活気をもたらしている。行列を頻繁に見かけるのは、(アップルストアを除くと)ジャイルの「シャネル(CHANEL)」、隣の「ディオール(DIOR)」、そして表参道の交差点に程近い「セリーヌ(CELINE)」と「ロエベ(LOEWE)」。特に男女を問わず、若い世代の2人組を見かけるのが印象的だ。お目当てのブランドや商品がある程度決まっている若い世代は、広い店舗で表現する世界観やスタッフとのコミュニケーションを欲し、フラッグシップを選択する傾向にある(対して「小さな財布がほしい」や「成人式の洋服を探している」など、特定のブランドを思い描いていない場合は百貨店にも足を運ぶようだ)。

 ハイブランドのSNS戦略や体験型ポップアップなどはある程度奏功しており、かつてに比べると旗艦店への入店に対する心的ハードルも下がっているようだ。ことバッグやシューズ、革小物については、「ラグジュアリーブランドの勢いがすごく、ただ『ミニバッグ作ってみました』や『厚底ローファー、いかがでしょう?』ではまったく反応してくれない」(国内アパレルの企画担当首脳)というくらい、ファッション感度の高い若年層の興味・関心はインポートブランドに集中している。外国人観光客の来日が再開した今、東アジアや東南アジアを中心にインバウンド消費も再燃しそうな気配だ。美しい旗艦店にレザーグッズを並べて若い世代を出迎えるハイブランドの躍進はまだまだ続きそうだ。

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