アダストリアは、ライセンス契約し2023年春に再上陸させる米カジュアルブランド「フォーエバー21(FOREVER 21)」の商品を公開した。商品の8割は日本企画で、残りは雑貨を中心に米本国から仕入れる。本国ではポップなLAカジュアルのムードが強いが、日本市場に向けてベーシックやフェミニンといった要素を強めているのが特徴だ。2月にアダストリアの自社ECモール「ドットエスティ(.ST)」で発売し、その後4月にららぽーと門真などに出店する。
日本では、デニムやカットソーで構成する“ベーシック”、韓国ファッションの要素を取り入れた“フェミニン”、ポップカルチャーや1990年代のムードの“ストリート”、今っぽく軽やかに表現する“モード”、カラフルな“Y2K”スタイルを軸にした“ポップ”、レトロでロマンチックな”ビンテージ“の6カテゴリーで構成する。シューズなどの雑貨類は本国企画が中心だが、ロゴ入りトートバッグ(税込2200円)や、野菜のオリジナルキャラクターのスマホケースやチャームなど、日本企画のユニークな雑貨もそろう。
ららぽーと門真(約405平方メートル)などフルラインアップ展開店舗は、ベーシック、フェミニンを商品全体の各20%として軸とし、全カテゴリーをそろえる。出店先の面積に合わせて、カテゴリーは編集する。
目玉商品は日本製生地のジーンズ
再上陸にあたって品質も追求し、かつての“大量生産・大量廃棄するファストファッション”のイメージの払拭に努める。象徴的な商品は、日本製デニム生地を使ったジーンズ(4400円)や、オーガニックコットンを一部使ったカットソートップス(1650円〜)など。平均1点単価は4000円で、例えばマルチボーダーのニットワンピースは7000円。1000円以下の商品も珍しくなかった以前に比べるとかなり上がった印象だが、「アダストリアの品質基準に徹底的にこだわった」と、「フォーエバー21」を日本で運営するアダストリア子会社Gate Winの杉田篤社長は話す。
「アダストリアのブランドは似ているものが多いと言われることがあるが、アダストリアっぽくないものができたことに手応えを感じている」と、木村治アダストリア社長。9月に再上陸を発表した際の反響は予想以上だったが、「出店を当初予定より増やす考えはない。ただ、(大型の面積がとれる郊外SCに加えて)通行量の多い駅ビルなら200平方メートル前後でも出店を検討していく」という。今後、日本企画商品を本国でも販売する可能性などもあるという。