プラダ グループ(PRADA GROUP)は、2023年1月26日に開催される取締役会で、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のアンドレア・グエラ(Andrea Guerra)前戦略開発シニア・アドバイザーを次期最高経営責任者(CEO)として推薦することを発表した。
これに伴い、パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)共同CEOは会長に、パオロ・ザンノーニ(Paolo Zannoni )会長はエグゼクティブ・デピュティー・チェアマンおよびプラダ ホールディング(PRADA HOLDING)の会長に推薦される予定。なお、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)共同CEOも同職から退任するが、取締役会に留まり、引き続き「プラダ」の共同クリエイティブ・ディレクターと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のクリエイティブ・ディレクターを務める。
ミウッチャとベルテッリ共同CEOは、「これはプラダ グループのさらなる進化に貢献しつつ、グループの将来のリーダーであるロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)をスムーズに後継者とするための基礎的なステップだ。持続的かつ安定した事業の成長のため、次期CEOとなることを快諾してくれたアンドレアに感謝する」と述べた。ロレンツォは2人の息子で、現在34歳。ラリー競技のドライバーとして活躍した後、17年にプラダ グループに入社。19年にマーケティング・ディレクターとなり、20年からCSR部門ヘッドを務めている。また、21年5月には取締役会に加わった。なお、ベルテッリ共同CEOは21年11月に開催した投資家向けの説明会で、ロレンツォがいずれ後継者となる可能性について示唆していた。
グエラ次期CEOは、1989年に世界的なホテルチェーンのマリオット・インターナショナル(MARRIOTT INTERNATIONAL)でキャリアをスタート。家具メーカーなどの要職を経て、伊アイウエア大手ルックスオティカ(LUXOTTICA。現在はエシロールルックスオティカ、ESSILORLUXOTTICA)のCEOを務め、2014年に退任。当時の伊首相マッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)の戦略アドバイザーを務めた後、15年にイータリー(EATALY)のエグゼクティブ・チェアマンに就任した。その後LVMHに加わり、20年にはホスピタリティー部門のCEOに就任。21年5月に退任したが、戦略開発シニア・アドバイザーとして取締役会の一員となった。なお、「プラダ」と「ミュウミュウ」は03年にルックスオティカとアイウエアのライセンス契約を締結しているため、ベルテッリ共同CEOとグエラ次期CEOは旧知の仲だという。