「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、デザインの盗用疑惑が後を絶たない「シーイン」の話から。
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ソーシャルエディター津田:格安で人気を集めている中国発のファッションブランド「シーイン(SHEIN)」のデザイン盗用疑惑がSNSを騒がせています。「ステューシー(STUSSY)」や「ドクターマーチン(DR. MARTENS)」などの有名ブランドも著作権の侵害を理由に訴訟を起こし、最近は個人のクリエイターやイラストレイターもデザインの盗用を問題視しています。Twitterでもデザイナー・イラストレーターのしばたまや、グラフィックアーティストのグッチメイズ(GUCCIMAZE)らクリエイター本人が声を上げています。確かに私も「シーイン」が本当に瓜二つのイラストを用いていると思いました。他にも漫画「ONE PIECE」に登場する悪魔の実にそっくりのAirpodsケースやお菓子の「キャラメルコーン」のパッケージにそっくりなiPhoneケースなど、「そんなところも参考にするの?」という驚きのバリエーション。デザインを盗用されて怒りの声を上げている人は無数にいますが、個人ゆえに泣き寝入りするパターンも多そうです。
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記者村上:意図的にパクっているというよりは、モノづくりのプロセス上、似た洋服が生まれてしまうということなんだろうと考えています。「シーイン」はAIを駆使して、デジタル上で“流行っている”デザインを参考にしながら上手に手頃な洋服を作ることを目指しています。多くの場合、“流行っている”は今っぽいシルエットやディテール、色柄なんでしょうが、時に誰かのデザインまで拾ってしまうのでしょう。それを「このデザインは、明らかに模倣だよね」と認識して採用しないというプロセスを組み込むか、もしくはAIに学習させるかしない限り、こうした訴訟は後を絶たないのではないか?と思います。かつての「フォーエバー21(FOREVER 21)」のように意図的に“パクる”ではなく、結果“同じくらい似てしまった”のでしょうね。だからと言って、他者のデザインを毀損してはいけないのだけれど。AIのディープラーニングが進化することを望みます。
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