1897年創業の英国発ラゲージブランド「グローブ・トロッター(GLOBE TROTTER)」は、今年125周年を迎えた。大英帝国が繁栄したヴィクトリア朝時代に、軽く丈夫なヴァルカン・ファイバーボードを使ったスーツケースを発表。125年経った今も、受け継がれた、変わらぬスタイルで世界中に支持されている。
125周年を記念した企画展が開催
「グッチ」や「コム デ ギャルソン」とのコラボも展示
12月18日までグローブ・トロッター銀座店で125周年を記念した企画展が開催中。初期の貴重なアーカイブをはじめ、これまでコラボレーションを行ってきた「グッチ(GUCCI)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)」「ポール・スミス(PAUL SMITH)」「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「ティファニー(TIFFANY & CO)」とのスーツケースを展示。同展はロンドンで幕を開け、東京のあとはロサンゼルスを巡回する予定だ。
グローブ・トロッターのビセンテ・カステラーノ(Vicente Castellano)エグゼクティブ・チェアマンは、自社商品の魅力を「125年の伝統を受け継ぎながら、品質と美しさを追求するラゲージブランドだ。卓越した職人技と、確かな実用性で唯一無二のプロダクトを生み出し続けている」と語る。「しかし、これほど長い歴史を持つブランドであるということは、実は多くの方々には知られていない。この125周年を祝うタイミングで、これまでご愛顧いただいているお客さま、そして新しいお客さまにブランドの歴史や魅力をお伝えしたい」。
日本で人気の2輪のキャリーケース
国内旅行の需要もカバー
この3年間は新型コロナウィルス感染症の影響により、旅行業界やラゲージメーカーは大きなダメージを受けたが、今年に入り、復調の兆しが見えてきたという。「今年、ヨーロッパとアメリカでは、コロナ以前のような売り上げに近づいてきた。ベストセラーの4輪のスーツケースが引き続き、根強い人気を誇っている。長く規制が敷かれている日本でも、売り上げは85%まで回復。特に日本では2輪のキャリーケースが好調で、昨今は国内旅行の需要も高まっているようだ。中国もわれわれにとって大きな市場であるが、まだ厳しい旅行制限があるため、施策のタイミングを見計らっている」とカステラーノ=エグゼクティブ・チェアマン。
今後については、「ブランド認知度はまだ向上の余地がある。21、22年はコロナからの回復に集中してきたが、来年は新たな戦略を立てて、アジア、ヨーロッパそしてアメリカでの露出を増やしていく計画だ。ブランドアンバサダーを通して商品を紹介し、マスにも広げていくことで、もっと多くの方に身近な存在にしていきたい」。
強みにする多彩なコラボレーション
現代芸術家の加賀美健との協業も
ブランドやアーティストとのコラボレーションは、ブランドが継続して強化している戦略の一つ。11月にはスヌーピーでお馴染みの「ピーナッツ(PEANUTS)」とのラゲージが発売。またサッカー日本代表チームのオフィシャルトラベルケースとして、「サムライブルー リミテッド コレクション」が登場したほか、日本代表の応援キャンペーンの一環として、現代芸術家の加賀美健による限定ケースも発表した。「これまで手掛けてきたコラボレーションは全てとても良い評判をいただいてきた。『グッチ』のようなトップブランドから、『カサブランカ(CASABLANCA)』のような気鋭の若手まで、取り組みの幅も広げている。来年もいくつかエキサイティングなコラボレーションの企画を進行中。ぜひ楽しみにしていてほしい」とカステラーノ=エグゼクティブ・チェアマンと明かした。