LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2023年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」の候補者募集を公式ウェブサイトで開始した。締め切りは2023年1月29日。
参加の条件は18〜40歳で、過去に最低2回、ウィメンズまたはメンズ、ジェンダーレスのコレクションを発表および販売したことがあること。「LVMHプライズ」のグランプリ受賞者には、賞金30万ユーロ(約4020万円)に加え、LVMHチームによるサステナビリティやコミュニケーション、マーケティング、法律、生産、財務などに関するメンターシップを受けることができる。「カール・ラガーフェルド審査員特別賞」の受賞者には、賞金15万ユーロ(約2010万円)とLVMHの専門家による1年間のメンターシップを受ける権利が与えられる。さらに、両者は環境問題に関する専門的な指導を受けられるほか、LVMHが昨年立ち上げた余剰生地を販売するオンラインプラットフォーム「ノナ ソース(Nona Source)」で2万ユーロ(約268万円)相当の生地を購入する権利などが授与される。
セミファイナリストは、LVMH傘下ブランドのトップデザイナーや世界的に活躍するスタイリスト、バイヤー、ジャーナリストらの審査員が選考。3月2日にウェブサイトやSNS上で発表され、一般による投票も行われる。
また、23年にファッションスクールを卒業予定の学生からも3組を選出し、1万ユーロ(約134万円)の賞金とLVMH傘下のメゾンで1年間学ぶ権利を与える。
「LVMHプライズ」の発案者であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「10年を迎え、『LVMHプライズ』は若手デザイナーを育成する上での一つの基準となった。また、ファッションや社会全体において、発展やトレンドを反映している。これまでに影響力のある若きデザイナーたちが参加してくれ、プライズとしても役割を果たすことができている」と振り返る。
22年度は1900人の応募者の中から20人のセミファイナリストと、8組のファイナリストを選出。結果、グランプリはロンドンのメンズブランド「エス・エス・デイリー(S.S.DALEY)」を手掛けるスティーブン・ストーキー・デイリー(Steven Stokey -Daley)、「カール・ラガーフェルド審査員特別賞」は、カリフォリニア・ベニスビーチを拠点とする「ERL」のイーライ・ラッセル・リネッツ(Eli Russell Linnetz)と、ナイジェリア出身でニューヨークを拠点に「ウィニー ニューヨーク(WINNIE NEW YORK)」を手掛けるイドリス・バロガン(Idris Balogun)がそれぞれ選ばれた。