ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、百貨店の自社スタッフのあり方を問う話。(この記事はWWDジャパン2022年12月12日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
「ルナソル」工藤さんは“凝縮した”会話で心の距離を縮める
存在感増す百貨店の「外商」若い富裕層を呼び込む
本紙11月7日号「販売員特集2022」では、ファッション、ビューティそれぞれの分野で高いスキルをもつアドバイザーがクローズアップされていた。来店客個々の好みや目的を的確にとらえることに加え、ショップの立地や特性までを分析して自らの接客スタイルを磨くことが、優れた販売スタッフに共通した資質なのだと思う。ECやメタバースなど、デジタルを駆使した新しい売り方が次々生まれる中、「リアルな接客」の底力を改めて意識した。
限定品・ポップアップは飽和状態 魅力ある「人」も来店動機になる
百貨店のような業態、特にビューティカテゴリーに関しては、新製品・限定品など「これが欲しい」と思うことが最大の来店動機だ。そのため個別の百貨店限定企画などの「商品力」、正確に言うとブランド側の「営業企画力」頼りになりやすい。
しかし、近年ではアットコスメストアなどの店舗やEC限定品も目立ってきており、「デパコスブランド」の百貨店第一主義が崩れ始めているのも事実だ。百貨店が自主運営で売り場を展開する体力を失う中、テナントの顔をそろえたり、ポップアップで「鮮度を保つ」だけでは百貨店の立ち位置はますます危うくなるだろう。新進ブランドに場所を貸すだけでは、ブランドも店の顧客も育たない。販売の現場に立てる百貨店側の人員が激減した今、自分たちの店舗は出店しているブランドの、さらに個人の努力を集めているのだということを再度認識してほしい。
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