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「ルイ・ヴィトン」の親会社、一族支配を強化 ベルナール・アルノー会長の長男が持株会社のCEOに

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の一族による持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)は、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)CEOの退任に伴い、アントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMH ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージを新たなCEO兼副会長に任命した。なお、トレダノ前CEOは、引き続きLVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)の会長兼CEOを務める。

 クリスチャン ディオールSEは、アルノ―会長兼CEO一族の主要な持株会社、フィナンシエール・アガシュ(FINANCIERE AGACHE)の傘下。フィナンシエール・アガシュはクリスチャン ディオールSEの株式資本の97.5%を保有しており、そのクリスチャン ディオールSEは、2021年12月末の時点でLVMHの株式資本41%と議決権の56%を保有している。

 現在73歳のアルノ―会長兼CEOには5人の子どもがおり、それぞれグループの要職に就いている。長男のアントワンは、前述のほかにベルルッティ(BERLUTI)CEO兼ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)会長の役職も持つ。長女のデルフィーヌ(Delphine Arnault)はルイ・ヴィトンのエグゼクティブ・バイス・プレジデントなどを、次男のアレクサンドル(Alexandre Arnault)はティファニー(TIFFANY & CO.)のプロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを、三男のフレデリック(Frederic Arnault)はタグ・ホイヤーのCEOを、四男のジャン(Jean Arnault)はルイ・ヴィトンのウォッチ部門マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターを務めている。

 LVMHは2022年5月の株主総会で、CEOの年齢制限を75歳から80歳に引き上げることを承認。12月6日には、フィナンシエール・アガシュが株式合資会社となったが、これは同社の支配株主であるアガシュ コマンディテ SAS(AGACHE COMMANDITE SAS)の株式を5人の子どもたちに均等に分配し、一族による長期的なLVMH支配を盤石にするため。今回の人事により、それがいっそう強化された形となった。

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