ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、大手化粧品企業の社長交代の話。(この記事はWWDジャパン2022年12月19日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
資生堂社長に海外ビジネスに長けた藤原憲太郎常務中国事業担当が就任 魚谷社長は代表権のある会長CEOに
花王からZ世代の男性向けコスメメンズメイクを当たり前に
日本を代表する化粧品企業である資生堂、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)、カネボウ化粧品の社長交代が相次ぎ発表された。資生堂とポーラ・オルビスHDはそれぞれ、サクセッションプランを推し進める中で現社長が代表権を持った会長として続投。2社とも並走しながらの経営体制となるため実質は大きく変わらないという印象で、株価の影響は大きく見られなかった。
資生堂の魚谷雅彦氏は、2014年に資生堂で初めて内部昇進を経ない外部出身者として社長CEOに就任。これまで幹部クラスやマネージャーを外部から招へいする動きが目立ち、プロパー社員の活躍が目立っていなかったが、23年1月1日付で新たに社長COOに就く藤原憲太郎常務中国事業担当(1966年生まれ)は新卒で入社した生え抜き。藤原氏の抜擢は、プロパー社員にとって、モチベーションアップにもつながったのではないだろうか。これまでの構造改革は、外部出身でありスピード力のある魚谷氏でなければ成しえなかったことは多かったとみるが、大手術にメドがついたことにより、新たな成長フェーズに入り、資生堂の“らしさ”がより見えてくることに期待したい。
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