ファッション

バンタンデザイン研究所主催の「ブランドコンテスト」グランプリ決定 東京校の「ボウウェン ジャン」と大阪校の「イール」

 バンタンデザイン研究所は、同校が主催する複合型デビューコレクション「カッティングエッジ」の一環として「ブランドコンテスト」を開催した。

 「ブランドコンテスト」は、現役在校生が手掛けるファッションブランドのみがエントリーできるコンペティション。東京校と大阪校で数カ月におよぶ学内選考を勝ち抜いたブランドは、ショー形式でコレクションを発表することができる。グランプリ受賞者には、その後もブランドデビューや商品化、活動費用の支援、プライズへの参加など、さまざまなチャンスが与えられる。

 今年の東京ステージの審査員は、芳之内史也「ファッションスナップドットコム(FASHIONSNAP.COM)」編集委員・ディレクター や、近藤弘一「アールフォーディー(R for D)」オーナー兼「ディードファッション(DEED FASHION)」編集長、金子恵治「レショップ(L'ECHOPPE)」コンセプターら。大阪ステージの審査員は、川﨑吉朗「リトマス(LITMUS)」 代表取締役や、綾部帆乃香・同バイヤーチーム、馬込有希「11747391」店長兼バイヤー兼ディレクターらが務めた。

 東京ステージのグランプリを受賞したのは、特進クラス“エクシード(X-SEED)”の中村博文さんが手掛ける「ボウエン ジャン(BOWEN ZHANG)」だ。ブランドコンセプトは、「ワクワクした気持ちや期待を着る」を意味する「ウェア シンフェン(WEAR XINGFEN)」。ブランド名には、自身の中国名を冠した。

 コレクションは「香りがする文章(FLAVOR TEXT)」をテーマに、幼少期の風景写真に着想。「実家に帰省してアルバムに目を通したときに、いい写真を見つけたが自分にしか背景が分からないのが残念だと感じた」という心象から、“記憶を説明する服”を制作した。テーマ性を表現するために「ファーストルックには、リネンなどのナチュラルな素材を使い、ショーではカントリーな雰囲気を演出するために植物を用いた」という。

 中村さんは今回の手応えについて「在学中にコンテストで結果を出すことを1つの目標にしていた。昨年度は、最終審査まで進んだが、選ばれずに悔しい思いをしたので、ようやく結果を出すことができてうれしい。グランプリを受賞して、自信もついた。いずれはブランドを独立させたいが、力不足な部分も認識している。卒業後はアパレル企業に就職し、数年の経験を積んでから、再びブランドを育てていきたい」と加えた。

 また、大阪ステージのグランプリを受賞したのは、ファッション学部ファッションディレクター学科3年の山本莉乃さん、村上琴音さん、大門千夏さんが手掛ける「イール(YRR)」だ。同ブランドは、アジアの若手デザイナーを発掘するコンテスト「アジアファッションコレクション10th」で最終ステージに進んだ経験を持ち、チームはデザイン(山本)、SNS運営(大門)、生産管理(村上)で担当が分かれている。

 「イール」のブランドコンセプトは「what Yrr feel!(イールが感じたこと)」。山本さんは「セクシーよりもイノセンスなスタイルを大切にしている。アジア人に向けたシルエットが特徴で、特に肩のライン、ひざ周り、横から見たときのシルエットにこだわりがある。自分の肩幅の狭さがコンプレックスなので、解消できるようなラインを追求している」という。

 コレクションは「ギフト」をテーマに、リボンをモチーフにしたアイテムを発表。ラッピングの緩衝材をイメージしたメッシュ素材やプレゼントボックス、“幼少期のギフトの記憶”をシルエットやディテールに落とし込んだ。

 山本さんは、参加の理由とブランドの展望について「1人でブランドを運営していた昨年は、受賞を逃した。3人体制となり1位を狙っていたものの、受賞を聞いたときは驚いて頭が真っ白になった。いずれは、ブランドのミューズである中国や韓国の女性に受け入れてもらえるよう、アジア進出できるブランドに成長していきたい」と意気込む。2023年1月には、大阪・西心斎橋のセレクトショップ「11747391」で商品を販売し、2月には、ファッションビルNU茶屋町での受注会も予定している。

 国内ファッションスクール最大規模のイベントである「カッティングエッジ 2022」には、総勢50組以上のファッションブランドが参加。「ブランドコンテスト」を含める一連の企画には、2000人を超える来場者が訪れるなど、注目度の高さがうかがえる。

バンタンデザイン研究所は、1965年にスタートした、ファッション・ヘアメイク・デザイン・映像・フォト・プロスケーターなどの分野に特化した人材を育成するクリエイティブ総合専門スクール(東京校・大阪校・名古屋校)。「世界が、わたしのファンになる。」をコンセプトに、現役で活躍するプロフェッショナルを講師に迎え、長期インターン、外部企業との産学協同プロジェクトなど、業界と連携した実践教育で即戦力となる人材を育成する。運営するのは、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」をビジョンとする株式会社バンタン。これまでグループ全体では20万人の卒業生を輩出している。

問い合わせ先
バンタンデザイン研究所
vditudm@vantan.co.jp