円安、物価高、それに伴う値上げなど不安要素は多いものの、富裕層市場は相変わらず絶好調だ。30代富裕層の平山美春さんに、コロナ前・禍・後の消費や心理の変化について聞いた。(取材協力:カール・ハンセン & サン)
WWD:コロナ前から現在に至るまで消費動向や心理は変化したか?
平山美春(以下、平山):コロナ禍では、海外に行けず国内消費するしかなく、消費欲をどこかで満たしたいという思いがありました。そういういう意味でも全てのラグジュアリー・ブランドの活動が活発になりましたね。ブランドの買い物の仕方も変りました。以前はファッションの受注会などで欲しいものは購入できていましたが、コロナ禍では欲しくても買えないものもありました。“おうち時間”で、一番盛り上がったのは私たちに界隈ではアート市場だと思います。心の豊かさを求める傾向が強くなって、ひんぱんにアートを購入した話を聞きました。アートは同時にステイタスにもなります。人気があるのは現代アートの若手による価格が上がりきっていない作品。ギャラリーを通して購入したり、アーティストの展覧会で直接購入したりする場合もあります。自分が発見した感じがより高い満足度につながるのでしょう。
私も好きなアーティストの作品を購入しました。アートピースという意味では、ハイジュエリーやハイウオッチも同様ですね。コロナが落ち着いて、本国のスタッフが来日してガラディナーの開催などラグジュアリー・ブランドのイベントが増えています。また、海外への招待も戻りつつありますね。コロナ禍では、国内消費しかできませんでしたが、海外での購入も増えています。
WWD:変化した点と変わらない点は?
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。