REPORT
10回目のパリコレで改めて表したメゾンを受け継ぐ宮前デザイナーの決意
今季は、新たな星を探して未踏の地へ挑む宇宙への旅を、1枚の布の可能性を探求するモノ作りと重ね、“越えて”を意味する「ビヨンド」をテーマに選んだ。そこには、ブランド設立45周年と宮前義之デザイナーにとって10回目のパリでのショーという節目に、改めて「イッセイ ミヤケ」のスピリットを受け継ぎ、未来につなげていくという彼の強い決意が込められている。
序盤に登場したのは、昨シーズン開発した“ベイクド・ストレッチ”を用いたドレスやトップス。特殊な“のり”をプリントし、その後に熱でふくらますことでプリーツに生成でき、多色使いも可能になる。色とりどりのラインが交差して、まるでプリズムのように鮮やかにアイテムを彩る。そこに加えたのは、ここ数年取り組み続ける熱で縮むストレッチ糸を織り込んだ生地でプリーツを生み出す“3Dスチームストレッチ”のシリーズだ。極太のモール糸を織ったものから、生地をつまんだようなねじれや渦巻きなどを表現したものまで、さらにバリエーションが豊富になった。特にコートやドレスのダイナミックなフォームが目を引く。今季は、ここ数年間で見せてきた技術を着実に進化させながら、プリーツの新たな可能性を模索した。ショー後のバックステージで宮前デザイナーは、「今回は全く新しい技術ではなく、これまでに生み出してきた技術を応用した。今の時代は、積み重ねていくことが非常に大切だと思う。僕たちが他のメゾンと違うのはテキスタイル。自分たちのいろいろな引き出しを生かしながら、新しい解釈や発見を形にした」と語った。
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