「トッズ(TOD’S)」は2023年2月、現代のイタリアン・ライフスタイルとその価値観を讃える書籍「アリア・ディタリア(Aria d'Italia)」のインターナショナル版を発売する。食卓から芸術にいたるまで、 あらゆる場面でクオリティ・オブ・ライフを追求するイタリアの才能と情熱、陽気な雰囲気と伝統に対する思いを閉じ込めた。本書は「喜び」や「タイムレス」「想像」「クラフトマンシップ」「情熱」「伝承」「大胆さ」などの8つのキーワードで、イタリアの文化やアイデンティティの本質に情熱を燃やし、それを象徴する若きアーティストやビジネスピープル、職人たちのプライベートや職業の物語を伝える。昨年日本で開催したイベントで、ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長に「アリア・ディタリア」への思いを聞いた。
「WWDJAPAN」(以下、「WWD」):「アリア・ディタリア」の発売に至った経緯は?
ディエゴ・デッラ・ヴァッレ=トッズグループ会長(以下、ディエゴ会長):世界中の、若い世代に「美しいイタリア」を知ってほしかった。特にイタリアを知らない人、行ったことがない人たちに向けて、発信したかった。世界的なコロナ禍や高まるばかりの緊張関係などで、海外渡航はまだまだ制限されている。だからこそ、イタリアの美しさを直接感じてもらいたい。もちろんコンテンツはウェブでも見られるが、紙媒体にこだわった理由だ。
「WWD」:一般的にブランドが発売する書籍と言えば、主役は洋服やバッグ、そしてシューズだ。だが「アリア・ディタリア」は、あくまでも人が主役。商品を全面に押し出していない。
ディエゴ会長:イタリアのライフスタイルや品質、気品、美しさにかける思いは、「トッズ」も体現している。つまりイタリアの美しさを表現することは、「トッズ」の美しさを表現することだから、商品は主役じゃなくても良い。麗(うるわ)しきイタリアを世界に伝えることで、「トッズ」の精神は自ずと伝わる。
「WWD」:この書籍を読んで、若い世代にどんなふうに感じてほしい?
ディエゴ会長:一番嬉しいのは、「イタリアに行きたい」「イタリアで、何ができるか考えたい」と思ってもらうこと。でも家族や同僚と共に生きるイタリア人の美しさを知ってもらうことで、コロナ後の世界に必要な価値観である「調和」の必要性を感じ取ってほしい。