人々の心に火を灯す機会を提供することを目的に、クリエイティブディレクターにGReeeeNのHIDEを迎えた一般財団法人渡辺記念育成財団は、EverWonderプロジェクトを発足した。構想中のプロジェクトは、同財団が次世代の芸能プロデューサーを支援する「みらい塾」の奨励生が企画進行している。今回は、第5期奨励生で京都橘大学健康科学部理学療法学科の栗原みなみが、同じ大学で共に理学療法士を目指す友人とともに「コロナ禍の学生生活を過ごしてきた彼女たちが思い描く未来」についてのディスカッションする。
栗原みなみ京都橘大学健康科学部理学療法学科2年(以下、栗原):私はずっと子どもに関わる仕事につきたいと思い、病気や怪我をしている子どもの役に立ちたいと理学療法士を志ました。適切な理学療法も大事ですが、それ以上に患者さんの精神面のケアも重要だなと。そこで私は、「みらい塾」で理学療法の世界にエンタメを取り入れたいと思っています。
永江帆乃嘉同2年(以下、永江):初めて知った(笑)。たしかに、理学療法士のメンタルケアはとても大事です。私は中高バスケ部に所属していましたが、高校2年生の時に膝の前十字靱帯を損傷してしまいました。その際お世話になった理学療法士さんが精神面で支えてくれました。過去に自分と同じ怪我をしており、「ちゃんとリハビリしないと、日常生活にも支障をきたす」と丁寧に説明してくださって、リハビリを前向きに頑張れるようになりました。その時、理学療法士に憧れました。
奥村文花同2年(以下、奥村):私も高校生のときに部活で怪我をして。お世話になった理学療法士さんの影響で今の大学に進学しました。
辻岡萌同2年(以下、辻岡):私は進学できそうなところを探していたら、今の大学を見つけました(笑)。もちろん理学療法士の仕事は、祖母のリハビリに同行して興味も持っていましたが。
奥村:学生生活は、意外と普通の大学生と同じかもしれません。私は古着が大好きなので、よく古着屋さん巡りをしています。テスト勉強とかが辛くても、それがモチベーションの維持に繋がっています。
永江:私は彼氏かな(笑)。
栗原&奥村、辻岡:ですよね(笑)。
辻岡:私はNetflixとかYouTubeばかり見ています。コロナのせいで新しい出会いも特になく、彼氏もできなさそうなので。
栗原:普段から恋バナばかりしているから、質問から脱線してしまいました(笑)。理学療法士学科らしいところと言えば、実習で患者さんと接する機会があることですかね。実習で感じたことはありますか?
辻岡:患者さんに元気になってもらうためには、コミュニケーションを通して知ったり、メンタルケアをしたりが一番大事です。一方、ご年配の患者さんが多かったので、共通の話題を見つけるのに苦労しました。
栗原:私もそれは痛感しました。毎日ニュースを見るようにして、ご年配の患者さんとの会話のネタにしていました。日頃から積極的に色々な人と交流を持ったり、様々な経験を積んだりしてコミュニケーション力を高めることが大事だと思いました。
奥村:新しい出会いは大事ですが、やはりコロナの影響で難しくなったと思います。ただで忙しく、サークルには入れないので。
永江:マスクで第一印象が分からないのも大きいと思います。やはり顔と顔を合わせて話をしないと相手のことは深く理解できず、新しく出会った人と親密になることも難しいです。
辻岡:私たちは、今までの人たちとはかなり異なる学生生活を送っていると思います。修学旅行や文化祭、ライブや旅行も思うようにできなかったので。
栗原:体育祭のリレーでは、ソーシャル・ディスタンスを保つためバトンの代わりに畳を使いました(笑)。本当は真剣勝負のリレーをしたかったけれど、結果的にそれはそれで盛り上がったのでよかったです。工夫をして楽しめることはありますが、それでも憂鬱になってしまうことはありますよね。
奥村:コロナの影響でインターハイがなくなってしまったのが本当に悔しかったです。大半の時間を遊びや学業よりも部活に割いて頑張っていたので。大会がなくなったときはとても落ち込み、何に対してもやる気が起きませんでした。頑張っても意味がないと半ば自暴自棄になり、そのまま引退してしまおうとも思いました。しかし、顧問の先生から励ましの電話をもらったり、親に何度も相談に乗ってもらったりして、なんとか引退せずに部活を続けようと気持ちを切り替えることができました。
栗原:私も目標にしていた試合がなくなったので、同じような気持ちになりました。それでも、コロナ禍にしかできないこともあるし、考え方次第で辛いことも乗り越えられると思えるようになりました。
辻岡:コロナ禍は一人で過ごす時間がとても増えたので、何をするにしても自分の意思をしっかりと持つことが求められるようになったと思います。オンライン授業のおかげで自由な時間が増えたからこそ、その時間をどれだけ有意義に過ごせるかで人との差が生まれます。私は、ぼーっとしていると、あっという間になんとなく理学療法士になってしまうのでは?という焦りがあります。最近は理学療法士の枠に収まらずさまざまなキャリアを築く方法もあるようなので、自分なりの道を探したいと思います。
永江:私も含めみんな理学療法士になるとは思いますが、やはり単にリハビリをサポートするだけではなく、心のケアもしっかりとできるようになりたいと思います。私自身も部活で怪我をしたとき、当時の理学療法士が励まそうとしてくれたり、リハビリに立ち向かう勇気をくれたりしたので。
奥村:「理学療法士になることは、決してゴールじゃない」とよく聞きます。なってからが大事だと思うのですが、ただでさえ勉強やテストに苦労している現状を考えると、将来が不安になることがあります。今は4人で支え合いながら頑張れているので、理学療法士になってからも人との繋がりを大事にしていきたいです。
栗原:私も時々、勉強が辛くて学校を辞めたいと思うことがあります。それでも、みんなと一緒にいるから頑張れている。コロナ禍でさまざまな制約を受けた私たちにとって、将来は大変かもしれないけれど、お互いに連絡を取り合い、辛いことがあっても励まし合ったり、誰かが活躍したらそれを褒め合えたりするような関係が続けばと思います。