毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年1月2・9日合併号からの抜粋です)
村上:2022年を振り返りつつ、23年の展望を国内外のニュースや次世代富裕層、メタバースなどの切り口でまとめました。若い記者が点と点をつないで物事を見る視点を養う機会にもなればいいな。ニュースを時系列でまとめたページも作りましたが、年末のヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)を含めて、訃報が多い年でしたね。
井口:私はデザイナー周り以外の“海外ニュース”を振り返りましたが、CEOの交代もすごく多かったです。業績を回復できなかった引責退任が多いのですが、「オファーを受けていない」と言っていたプーマ(PUMA)のCEOが、その10日後にアディダス(ADIDAS)新CEOに指名されたのにはびっくりしました。
村上:ギャップ(GAP)やアンダーアーマー(UNDER ARMOUR)など、カジュアルやスポーツ企業でのCEO交代が多かったですね。二極化が進んでいて、やはり“中間”が厳しそう。「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」のようにセカンドラインがあるブランドにも、改めてファーストラインに注力する動きがあります。
井口:ラグジュアリーは、コロナ禍でも戦争が起こっても強いというのがはっきりしましたね。私がCEO交代で理想的だと思ったのは、リーバイス(LEVI’S)です。引き継ぎ期間を1年半設け、しかも後任は女性。チップ・バーグ(Chip Berg)CEOは11年間リーバイスを率いて、再上場も果たしましたが、退任も上手だなと感心しました。村上さんはいかがでしたか?
村上:僕はミラノのブランドが、若いデザイナーを起用して刷新を図っていたのが印象的でした。「フェラガモ(FERRAGAMO)」も「エトロ(ETRO)」もマネジメントやファミリーが結束して、新たに迎え入れた若いデザイナーを盛り上げようとしているムードを感じて、好感を持ちました。22年は世代交代、リニューアルが進んだ年で、資生堂、ポーラ・オルビス、カネボウ化粧品と、国内ビューティ企業のトップ交代も続きました。23年もまだまだこうした新陳代謝がありそうですね。
井口:そうですね。翻訳チームとしては、今年はよりタイムリーに記事を出していきたいです。シリアスなビジネス関連だけでなく、セレブなどのエンタメ性の高いネタも大事。うまくバランスをとっていきたいです。