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「マメ クロゴウチ」の魅力と黒河内真衣子の素顔とは? ファストリ柳井会長兼社長や三越伊勢丹・神谷バイヤーら国内外の業界人13人が語る

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 「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」が支持される理由は、どこにあるのか?その答えを知るため、国内外のバイヤーやエディターから、一緒にビジネスに取り組んでいるセールスやPR、コラボレーターまでを取材した。同ブランドや黒河内真衣子デザイナーのことをよく知る13人の声からは、グローバルな視点で捉えたクリエイションの強みやユニークさ、そして彼女の人柄や知られざる一面が見えてきた。(この記事はWWDジャパン2022年12月26日号からの抜粋に加筆をしています)

【QUESTION】
1:「マメ クロゴウチ」や黒河内真衣子との出会いと第一印象は?
2:「マメ クロゴウチ」のユニークさや魅力とは?
3:黒河内真衣子はどんな人物か?思い出に残っているエピソードは?
4:さらなる飛躍のために必要だと思うことや期待することは?
5:買い付けを開始した時期は?自店の顧客から支持されている理由や人気のあるアイテムは?(バイヤーのみ回答)


【国内編】

芦谷富美子 /「ギンザ(GINZA)」編集長

1:強く意識するようになったきっかけは、2014年頃にスタイリストの飯田珠緒さんから「『マメ』の秋冬のカタログ画像がいい!」と聞いたこと。ブルーのワンピースにファーのグローブとスヌードが印象的で、そこには単純な形容だけでは言い表せない何かがありました。

2:光と影を内包しているところ。一筋縄ではいかない独自性としなやかな強さがあり、自然の摂理、そして染めや織りなど日本の伝統や技術(工場)に敬意を払っているのが分かります。展示会でテーマの解説やディテールの話を聞くのが毎回楽しみです。

3:探求者。コレクションのアイデアが書かれた「モレスキン(MOLESKIN)」のノートは、小宇宙。ひっそりとしたモノの中に美しさを見つけて、気付きを与えてくれる人。5時起きで善光寺の朝事に一緒に参加したことがあり、そのときのすがすがしい光景は忘れられません。とにかくチャーミング!

神谷将太/三越伊勢丹 伊勢丹新宿店「リ・スタイル(RESTYLE)」バイヤー

1:ブランドのことは前から知っていたが、2017年に担当バイヤーとして初めて展示会に訪れ、黒河内さんと直接お話しした。着眼点と探求心が素晴らしく、クリエイションとストーリーを感じることができた。

2:一つ目は、毎シーズンのテーマの着眼点とクリエイションの独自性、そしてMDへの落とし込み。二つ目は、「マメ クロゴウチ」らしさがグラフィックやロゴではなく、フォームやシルエット、生地や刺しゅうなど、洋服の本質的な価値に直結していること。そして三つ目は、お客さまの熱狂度が高いこと。毎回売り出し初日には、ブランドのファンが殺到する。

3:デザイナーとしての強さやこだわり、特に全てを自分の手で生み出すデザインと自ら足を運んで工場や生地を開拓・追求する姿勢がありながらも、私たちバイヤーの要望(=お客さまの声)にも耳を傾けたり、一緒にイベントをつくり上げてくれたり。「マメ」だけが主語ではなく、価値創造へのプロセスとして「リ・スタイル」と共に歩んでくれる存在。20年に初めて伊勢丹新宿店1階のプロモーションで“家族”をテーマにしたイベントを仕掛けた際には、コンセプト設定から具体的なMDまで一緒に取り組み、初のベビー&キッズコレクションを発表できた。

4:ブランディングでは、新しいジャパン・ラグジュアリーとしての立ち位置の確立に期待。そのため、日本の美意識や繊細さを黒河内さんらしいクリエイションで世界に発信し続けてほしい。強いコレクション性とビジネスのバランスを保ち、季節区分、アイテムバランス、プライスラインをより戦略的に構築することで、顧客の深化と新客創造の双方の実現に期待。黒河内さんらしいイベントのコンセプトやテーマを作り、新たな「マメ」の世界観をつくり上げ、さまざまな切り口でマーケットを創出してほしい。そこに向けたステップとして、伊勢丹新宿店本館3階「リ・スタイル」では2月に「マメ」の展開を広げ、コーナーをオープンする。また、3月末には伊勢丹新宿店限定の大型イベントを開催予定。

5:2011-12年秋冬に買い付け開始。黒河内さんらしい独自のテーマとストーリーから出てくるクリエイションとリアリティーのあるMDへの落とし込み、黒河内さんの素材や生産背景のこだわりや日本文化へのリスペクト、黒河内さん独自の女性像への共感が、顧客から支持される理由だ。一番人気はドレスで、特に「マメ」らしいフォームとシルエット、刺しゅうが際立つデザインが好評。また、クラフトマンシップ溢れるテーマ性の強いニットへの支持も高い。

鴨下亜衣/スタイリスト
<ショーのスタイリングを担当>

1:マメちゃんとは2018年にファッション・ウイーク中のパリで、友人の紹介で初めて会いました。第一印象は、ただただなんて美しい人なんだろうと。所作や言葉遣いにも気品を感じ、とても素敵な女性だと思いました。そして、「マメちゃん」というあだ名が付くほど繊細な見た目だけど、話してみると芯が強い。そのギャップが面白くて、出会った日からずっと彼女にメロメロです。

2:彼女のクリエイションに説得力があるのは、本人が本当に良いと思ったモノを作っていることに対する情熱が強く伝わってくるから。素材の選び方もそうですし、いつも彼女自身が着て良いと思ったモノを改良し続けていて、どんどん進化しているように見えます。ボディーラインを知り尽くした上での微妙な胸元の開き方から、腕が長く見えるような袖の形、丈の長さまで、女性の体を一番美しく見せることができ、誰かのためではなく自分自身のために着る、心地のいい美しい服です。

3:ショーや撮影をやっていく中でドラマやトラブルに直面するのは常ですが、マメちゃんは何が起きても特に動じることなく、どんなときも周りの人のことを一番に考えた上で迷わずベストな決断ができる人。そんな思いやりのある彼女に、いつも付いていきたいと突き動かされています。23年春夏のショーの準備中も、ショー前日の深夜の段階でモデルが4人足りていませんでした。そんな状態でもマメちゃんは焦ることもなく、「こんなに素敵なモデルさんをたくさん選べてうれしい」と話し、明日のショーはきっと大丈夫と私たちを信じて任せてくれたことにも器の大きさを感じました。

4:彼女がすごくこだわっている日本の伝統的な技術や工場の技術を常に絶やさず使い続けていく姿勢にも、とても共感。価格競争の中、海外の生産者を使う企業も多いかと思いますが、彼女の世界で重視される点はまた違うところにあり、価値観も全く違うベクトルで廻っているように思います。一緒に働く中、そんな彼女の姿勢からいつもいろんなことを学ばせてもらっています。それはこれからも変わる事はないでしょうし、いつまでも揺るがず続けてほしい。そして、これからも彼女の美しい服たちで、世界中の女性の背中を押し続けてほしいです。

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