「WWDJAPAN」は、11のトピックスから2023年を大胆予測する。トピックスは、デザイナーの就任・退任劇、国内トレンド、国内アパレル、海外ニュース、次世代富裕層、メタバース、スポーツ、サステナビリティ、Z世代、ビューティ業界のM&A、そしてヘアカラー。次世代富裕層以降のキーワードは、いずれも22年までに急速に広がり、ビジネスを語る上で欠かせないトピックスとなった(この記事は「WWDJAPAN」2023年1月2&9日合併号の抜粋です)。
澤田まり子編集部記者(以下、澤田):昨年は、ここ数年の流れである、大手がクリーンビューティやナチュラル系ブランドを傘下に収める動きが盛んだった。プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)は、スーパーフードやプロバイオティクスにフォーカスした米国発プレステージスキンケアブランド「トゥラ スキンケア(TULA SKINCARE)」を買収。同社は21年11月にもナチュラル系プレステージスキンケアブランド「ファマシー(FARMACY)」を傘下に収めている。老舗の仏ビューティブランド「クラランス(CLARINS)」の創業一族が所有するホールディングス会社のファミーユC(FAMILLE C)はロサンゼルスが拠点のクリーンビューティブランド「イリア(ILIA)」を、ロクシタン グループ(L'OCCITANE GROUP)はオーストラリア・メルボルン発のナチュラルスキンケアブランド「グロウン アルケミスト(GROWN ALCHEMIST)」を買収した。ヘアケアカテゴリーでも、ウエラカンパニーが米ナチュラルヘアケアブランド「ブリオジオ(BRIOGEO)」を手にした。ブランドエッセンス マーケット リサーチ(BRANDESSENCE MARKET RESEARCH)によると、世界のクリーンビューティ市場の20年の売り上げは54億4000万ドル(約7180億円)だが、毎年平均12.07%伸長し、27年には115億6000万ドル(約1兆5259億円)になると予測されている。
新関瑠里編集部記者(以下、新関):国内は、スキンケア中心の事業構造改革を推し進める資生堂の事業売却が目立った。同社は“スキンビューティーカンパニー”としての基盤を盤石にするべく、事業ポートフォリオの再構築の一環で戦略的なM&Aを加速している。21年にはパーソナル事業やメイクブランドを相次ぎ売却し、22年にはヘアサロン向けヘアケア剤などを展開するプロフェッショナル事業や日用品の生産事業を売却した。一方のポーラ・オルビスホールディングスも、資生堂と同じくブランドポートフォリオの改革と拡充を図っている。21〜23年の計画に基づき「不採算事業の整理」の一環で22年に米国子会社H2O PLUS HOLDINGSを解散したが、M&Aに関しては24〜26年の計画でCVCの投資を含め意欲を見せている。それにしても海外企業の買収の動きには目を見張るものがある。
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