ファッション

ブランドパフォーマンスを向上させる「ローンチメトリックス」の魅力とは

 ファッション、ライフスタイル分野に特化し、創業75周年を迎える総合広告代理店、双葉通信社が日本で展開するSaaS「ローンチメトリックス(LAUNCHMETRICS)」は2016年の展開から国内100社に導入されるまでに成長した。ファッション、ラグジュアリー、ビューティ業界のマーケティング・PR担当者に支持される「ローンチメトリックス」が持つ魅力とは何なのか。

世界で1200以上のブランドから
支持されるDXツール

 「ローンチメトリックス」は世界8カ国に拠点を持ち、「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」、資生堂グループ、ネッタポルテ(NET-A-PORTER)など約1200ブランドに導入されてきた。双葉通信社の萩原敏雄副社長兼最高執行責任者(COO)はサービス展開について「弊社の顧客の8割を占めるファッション、ビューティ業界において、PRやコミュニケーション領域のDX推進は業界全体のグローバルな競争力に繋がると考えてきた」と語る。

 「ローンチメトリックス」は統合されたクラウドでデジタル化による業務効率化、また“ブランド力”という可視化できない資産の成長をどう促すかという2つの大きな課題をサポートする。サービスは大きく2つの機能「ローンチ」と「メトリックス」に分けられ、特に日本ではサンプル管理など業務効率化を助ける「ローンチ」が先行して導入が進んでいる。

社内外のあらゆるサンプルを
トラッキングし、
露出の機会を逃さない

 「ローンチ」ではサンプルやデジタルデータをクラウド上で管理し、ワークフローの可視化と効率化を行う。サンプルの貸し出し、返却などのステータスや位置情報、スケジュールが即時に管理できるため、サンプル紛失を減らし、複雑化するタイムラインの中で機会損失を減らすことができる。

 サンプルはバーコード管理だけでなくRFIDタグにも対応し、倉庫の在庫管理からショールームにまで“無人レジ”のような管理を開発レスで導入できる。またAPI連携ができ、全社的に導入されている基幹システム(PLM、ERPなど)と接続することでサンプルの在庫情報のデータ登録などにおける人的工数を削減でき、サービスの早期導入、定着が可能になる。こうした利便性からプレスだけでなく導入する部門が増えているといい、国内では「ローンチメトリックス」導入社の7割がサンプル管理の機能を使用するという。またイベント・展示会の招待状や受付管理、オンラインショールームの運用なども「ローンチ」で行うことができるなど、業界に特化した機能も魅力だ。

アクションに繋がる
インサイトを発掘するために
データを変換

 「メトリックス」では、測定が難しいブランドパフォーマンスを欧米や中華圏も含めて計測し、ブランディングのサポートを行う。あらゆる投稿、インタラクション、記事の金額換算値などからチャネル、地域別にブランドへの貢献度を分析し、メディアインパクトバリューを算出。リーチ、エンゲージメント、広告費などの定量的な指標だけでなく、コンテンツの品質や関連性など定性的な視点も合わせた業界特化ならではの分析を行うことで、合理的かつ効果的な戦略設計、迅速な意思決定に役立てられる。
 
 こうした複合的な機能を持つ「ローンチメトリックス」を双葉通信社が導入支援することで、より日本市場のニーズに合った開発も行っている。ローンチメトリックスのマイケル・ジェイス最高経営責任者は「2016年に双葉通信社と協業を開始して以来、APAC市場は大きく成長し、ローンチメトリックスはグローバルな状況に適応してクライアントのニーズを反映するためソリューションを強化してきた。パートナーやクライアントと共に成長し続ける、これからの未来に期待している」と話す。サービスは日本市場だけでなく中国や韓国などアジアで拡大しており、萩原副社長兼COOは「今後はサンプル管理だけでなくより統合したソリューションを提供していきたい」と語った。

「バロックジャパン」PRの
活用方法

 2020年10月から「ローンチメトリックス」を本格導入し、社内ブランドで活用するバロックジャパンリミテッド。以前は手書きで貸出票を管理していたが、月に1000着の新規サンプルが上がる中、サンプルの所在が不明になる、貸し出しに人手がかかるなど管理に時間と手間を要していた。

 野原静江PRジェネラルマネージャーは「導入するからには最大限活用したい」と、サンプル管理だけでなくDM配信機能、ウェブやSNSの掲載確認も「ローンチメトリックス」で行う。「リース対応人数や時間が削減でき、費用対効果はとてもいい」と語る。サンプルは生産部門が型番や色展開、価格などをフォーマットに入力。バーコードをスキャンするだけで貸し出しが記録され、ステータス管理や商品情報も手軽に確認できるようになった。

 種岡万里「スライ(SLY)」PRマネージャーも「今ピックアップしたいという要望に即時対応できるようになった」と話す。またデジタル管理により貸し出し数や掲載の傾向が可視化されたことで、今後は分析結果をPR戦略にも役立てるという。

TEXT:ANNA USUI
問い合わせ先
双葉通信社 ローンチメトリックス事業室
03-3281-0051