「WWDJAPAN」は、11のトピックスから2023年を大胆予測する。トピックスは、デザイナーの就任・退任劇、国内トレンド、国内アパレル、海外ニュース、次世代富裕層、メタバース、スポーツ、サステナビリティ、Z世代、ビューティ業界のM&A、そしてヘアカラー。次世代富裕層以降のキーワードは、いずれも22年までに急速に広がり、ビジネスを語る上で欠かせないトピックスとなった(この記事は「WWDJAPAN」2023年1月2&9日合併号の抜粋です)。
横山泰明編集部記者(以下、横山):2021年後半くらいからNFTも盛り上がっていて、ときにはメタバースとNFTが一緒くたになったりして22年の上半期は盛り上がっていたと感じている。「WWDJAPAN.com」を見てみると、【メタバース】というタグを作ったのが22年初めだったんだと思うが、1月11日のものが1つ目。ウイークリーでも6月6日号に特集を組んだ。小田島さんは振り返ってみると、どうだった?
小田島千春副編集長(以下、小田島):年の前半は盛り上がっている感があったが、後半になって仮想通貨の暴落があって、NFTバブルが崩壊したり、コロナ収束で旅行をはじめフィジカルな活動が復活して、世間的な関心の度合いは下がったなぁというのが実感。でもアダストリアがプレーヤーとして参入してきたり、海外もナイキやラグジュアリーブランドを中心にニュースは増え続けていて、やはりここへの投資・参入の動きは衰えてない。
メタバースの可能性、あるいはメタバースが変えるもの
小田島:1年を振り返って一番印象的だったニュースや取材は?
横山:一番印象に残っているのは、「ゼペット」の取材で聞いた話。「ゼペット」は全世界に3.5億人(取材時点だと2.9億人)のユーザーを抱えて、その大半がZ世代なのだが、彼ら/彼女らは「アバター」を介したコミュニケーションが当たり前になりつつある、と指摘していた。これにはけっこうショックを受けた。メタバースの本質的な役割の一つってコミュニケーション、あるいはコミュニケーションのためのプラットフォームみたいなものだと思うので、Z世代はメタバースプラットフォームでのコミュニケーションにほぼハードルを感じない、ということなのか。
小田島:23年は「ゼペット」に日本のブランドも加わるのではないかと期待している。
課題と今後は?
横山:でもコミュニケーションという面で考えると、ビジネスの現場でメタバースを使う、みたいなことは現時点ではない。物販も含めても、メタバースでモノを売買する、ということもまだ一般的ではない。
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