ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、α世代やメンズビューティなど、化粧品の発信方法についての話。(この記事はWWDジャパン2023年1月16日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
α世代の美容リテラシーを調査 美容とジェンダー教育
「KANEBO」ヒットを後押しする“希望”の言語化
「α世代の美容リテラシー」についての、宇野ナミコ・美容ライターによる記事はとても興味深かった。ジェンダー感覚を含めた美容リテラシーを育てることは、化粧品各社にとって次世代の顧客育成にもつながる重要な取り組みとなっている。「美容」の早期教育の必要性は個人的にも感じるところが多かった。Z世代以下はデジタルメディアを通じて早い時期から化粧品や美容の情報に触れ、新製品やメイクテクニックについては豊富な知識を持っている。しかし、毎日の洗顔や基本的なスキンケアの方法など、基礎知識を教わる機会が極端に少ないのも事実だ。
「洗う」「潤す」「守る」の基礎教育は今
コロナ禍以降「マスク荒れ」などの肌トラブルが顕在化し、肌の免疫機能の重要性が改めてクローズアップされるようになった。適切なスキンケアを行いトラブルのない健康な肌を保つことは、「美容」のためよりも年齢・ジェンダー・人種を問わず重要だ。できるだけ早い時期から自分で適切なケアを行えるようになることが、将来の肌トラブルを防ぐためにも有効だ。
しかし、スキンケアの基礎教育に関してはメーカー側に委ねられているのが実情だ。花王は1998年以来、小学生を対象に「ビオレ」の洗顔料とスキンケアの小冊子を配布している。肌の仕組みと正しいケア方法を知ることで、自分の肌を大切にしてほしいという思いがこめられたものだ。また資生堂では公式サイト内に「キッズのためのキレイクラブ」を設け、「化粧」の歴史や文化、洗顔やニキビ・肌荒れ、紫外線対策など基本的な知識と対処法を分かりやすく紹介している。内容は小学校4〜6年生にそくした文章で作られているが、家庭や教育現場で役立ててほしいという大人へのメッセージも添えられている。
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