パルコは、2023年春夏シーズンのキャンペーンムービーを公開した。クリエイティブ・ディレクターには、ウクライナ出身の映像監督であるタヌ・ムイノ(Tanu Muino)を起用。日本企業が彼女とタッグを組んだのは今回が初めてだ。
ムイノは、1989年生まれ。90年代の映像作品やダンスといったカルチャーに着想を得たリアルでユーモアある世界観が特徴だ。これまでには「グッチ(GUCCI)」のムービー「CASA DELLA CULTURA DI GUCCI」を手掛けたほか、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)の「As It Was」やケイティ・ペリー(Katy Perry)の「Small Talk」、リル・ナズ・X(Lil Nas X)の「MONTERO(Call Me By Your Name)」などのミュージックビデオにも携わっている。
キャンペーンムービーのテーマは、“NEW DEPARTURE”。ウクライナ版「アリとキリギリス」の寓話をモチーフに、四季を通して描く物語だ。同ムービーではプロローグを、7月に公開予定の秋冬シーズンのムービーでは、物語のターニングポイントとエンディングを映しているという。衣装には今シーズンのトレンドであるパニエやクリノリン、マーメイドコアなど、18世紀のロココスタイルや流行色のパープルを取り入れている。
今回の制作について、ムイノは次のように語っている。「コロナ禍で、人々はそれぞれの場所に留まらなければならない時期が続いた。わたしは旅行をするのが好きなので、“NEW DEPARTURE”と聞いたときに、このムービーを見た人がいろんな場所へ旅した気分になれる映像をつくりたいと思った。旅行をするときは、服装も変わる。どこかに行けなくても、服装を変えるだけで気分は変わるはずだ。どこかへ行くことは、服装やスタイルにインスピレーションを与えるし、ファッションは社交的な気持ちを高めてくれるものだと思う。また、シーズンごとにロケーションや全体的な雰囲気を変えたのは、“NEW DEPARTURE”と聞いて未来へ行きたい人、古代のムードに戻ってみたい人、自然を感じたい人など、いろいろな捉え方があると思ったから。ひとつの方向性に絞らず、観る人の好きなテイストを見つけてほしい」。