REPORT
エフォートレスにひねりを加えて探求する“可能性”
会場はいつもと同じパリ郊外の屋内テニスコート。これまではそこがテニスコートかわからないセットを組んできたが、今季はよりシンプルでストレートだ。床に新たにテニスコートのラインを描いたランウエイを用意し、その両サイドに6列にネオンカラーの椅子が並ぶ。それはまるで観客席で、試合を観戦するかのごとくモデルを見た。
ファーストルックは、丸みのある構築的なツイードのトップスに、オレンジがかったイエローのフレアパンツ。足元にはカジュアルなフラットサンダルを合わせ、柔らかな生地で仕立てたパンツの裾にはスリットを入れることで躍動感を生み出している。その後もオーバーサイズのシャツや、ユーティリティージャケットのディテールを取り入れたアウター、ニットのタンクドレスなどエフォートレスなアイテムが続き、サテンのドレスがフェミニニティーを加える。
ショー後のバックステージで、フィービー・ファイロがあげたキーワードは、「可能性の探求」。生地をひねったり、動かしたり、裏返したりという実際に生地を触りながら進める過程が重要だったという。ドレスに曲線を描くように寄せたギャザーや裾の結び目がそれを象徴している。デザインで目を引いたのは、肩から背中を覆うケープのようなディテール。その裾にはドローストリングを備え、絞ることで形状が変わるようになっている。また、スタイルにアクセントを加えるベルトのディテールも重要なポイントだ。