ベルギー発のファッションブランド「メゾン ウレンス(MAISON ULLENS)」は、ベルギー人デザイナーのクリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)をアーティスティック・ディレクターに任命した。2023-24年秋冬コレクションでデビュー予定。2月初めにブリュッセルでバイヤー向けに披露し、2月末から3月上旬に開催されるパリコレ期間中にショーを行うという。
「メゾン ウレンス」は09年、起業家で慈善家のミリアム・ウレンス(Myriam Ullens)が“ウエアラブル・ラグジュアリー”を掲げて設立。過去にはヴェロニク・ルロワ(Veronique Leroy)やハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)らがクリエイションを手掛けてきたが、ここ2シーズンは社内のデザインチームでコレクションを制作してきた。現在はパリやニューヨークに店舗を構えているが、昨年新たな最高執行責任者とリテールディレクターを迎え、販売網の拡大を目指している。
ウレンスは、「ブランドのイメージをさらに高めていきたい。基本的なDNAを大切にしながらもダイナミックかつ新しいエネルギーを生み出すために、より幅広くカラフルなアイテムを提供していく」とコメント。「また、ベルギーのルーツを強化し、それを今後のコレクションで表現できるようなデザイナーと一緒に仕事をしたかった。私たちは、素材や色だけでなく、未来の女性に提案したいシルエットやアティチュードにおいても、常に進化を続けている。クリスチャンは、新鮮さやモダンかつリラックスしたスタイル、気取らない強いアティチュードを体現している」と続ける。
一方、ワイナンツはアントワープ王立芸術アカデミー卒のデザイナー。01年にイエール国際ファッション&写真フェスティバルでグランプリを受賞し、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」を経て、03年に自身の名を冠したブランドを設立した。その後、06年にANDAM賞、2013年にウールマーク賞を受賞。パリコレでコレクションを発表し続けており、ニットウエアに定評がある。
ウレンスとすぐに共通のデザイン理念で意気投合したという彼は、「タイムレスで必ずしもトレンドを追わないブランド、そして、何年もずっと年中着たくなるような美しいアイテムを作るブランドが大好き。ワードローブに欠かせないクラシックなデザインや落ち着いた繊細なカラーパレットだけでなく、シーズンごとに新たなストーリーを描くことで、ブランドに深みをもたらしたい」と話す。