「ミュグレー(MUGLER)」は1月26日、パリでランウエイショーを行う。“シーナウ・バイナウ(See Now, Buy Now)”形式で、2022-23年秋冬シーズンに当たるコレクションを披露する。同ブランドが1月にコレクションを発表するのは初めて。ショーの詳細は明らかではないが、会場に観客を迎えるほか、さまざまなソーシャルメディア上でのライブ配信も行う予定。
アーティスティック・ディレクターのケーシー・カドウォールダー(Casey Cadwallader)は20-21年秋冬のショー以降、ラッパーのミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)や映画監督で女優のクロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)、女優のハンター・シェーファー(Hunter Schafer)、モデルのシャローム・ハーロウ(Shalom Harlow)らを起用したムービーを制作し、コレクションを発表してきた。3部作の最新動画は合計1500万以上のPV数を記録。ブランドの売上高も3ケタ成長を見せており、オンラインストアや卸先でも高いセルスルー率(小売店での実倍率)となっている。このため、カドウォールダー=アーティスティック・ディレクターはシンプルなランウエイショーでの発表に戻ることにためらいもあったという。
パスカル・コンテ・ジョドラ(Pascal Conte-Jodra)=マネージング・ディレクターは、「今回のショー開催は単に発表の場をランウエイに戻すのではない。動画配信によって、人々を楽しませることや驚かせること、注目を集めることのノウハウや実績を積んできた。ケーシーが手掛ける新たなクリエイションに期待してほしい。当ブランドでは、リスクを恐れずにチャレンジする」とコメントした。
「ミュグレー」は17年、デヴィッド・コーマ(David Koma)に代わり、アメリカ人デザイナーのカドウォールダーをウィメンズのアーティスティック・ディレクターに任命。「ロエベ(LOEWE)」や「アクネ ストゥディオス(ACNE STUDIOS)」などでキャリアを積んできた同氏だが、当時は「無名デザイナーを起用」と報じられた。19年11月には、世界最大のビューティ企業ロレアル(L’OREAL)が「ミュグレー」(ビューティ含む)をクラランス グループ(CLARINS GROUPE)から買収。22年1月には、創業デザイナーであるマンフレッド・ティエリー・ミュグレー(Manfred Thierry Mugler)氏が死去した。