ユナイテッドアローズはこのほど、環境配慮型素材に関する自社基準を公表した。2030年までに、基準に沿って環境配慮型商品の割合を50%に引き上げることを目指し、300社を超える関係各社に働きかけをはじめた。サステナビリティへの取り組みを推進する上で、何を持って「サステナブル」と呼ぶのか迷う企業は多いが、ユナイテッドアローズは正解がないなかでも自社が考える基準をまず提示することで議論のきっかけを作り出そうとしている。
基準では、「本体素材」「副資材」「加工工程」のいずれかで、1項目以上を満たしたものを「環境配慮型商品」と定義する。「サローズツリー」と名付けた一覧には、「オーガニック」や「リサイクル」など環境に配慮した原材料の具体例を示した。全ての素材には、第三者認証などのエビデンスを求めていく。環境配慮型素材の採用はこれまでも商品調達部や各部、レーベルが自主的に判断し進めてきたが、今後は同基準で統一し、毎月開催する社内勉強会などを通じて共有する。
基準策定の中心となったのは、玉井菜緒経営戦略本部サステナビリティ推進部部長だ。玉井部長は、取り引きのある大手繊維商社や有識者にヒアリングしたり、国際的な評価機関や第三者機関が求める情報開示項目などを参考にしたりして進めた。リサイクル素材など1つのカテゴリーに偏らず、天然繊維から合成繊維まで幅広く対象にしたのは、「多くの環境配慮型素材の選択肢を広げて行くことが使命である」と考えたからだ。玉井部長は、「環境配慮型素材の定義をあえて広げたところもある。例えば、これまでは生地の特徴で環境配慮をうたっていたが、今回から副資材も項目に加えた。スポットが当たりづらい副資材にも目を向けることで、業界全体で使用を後押し、メーカーの開発促進にもつなげたい」と話す。
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