毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年1月23日号からの抜粋です)
横山:DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、時代に合わせて、デジタル化し、最適化を図ること。読者全員が自分ごと化してほしいと考えて、職種別DXの“トリセツ”を企画しました。
美濃島:商品企画など、その担当者の仕事がどんな風にDXしているかを取材しましたね。僕は、バニッシュ・スタンダード主催の接客コンテスト「スタッフオブザイヤー」の初代受賞者が、「デジタルといっても普段の接客の延長。『とりあえずやってみる』で大丈夫」と語っていたのが印象的でした。店頭だと生地感も見たり触ったりしてもらえば伝わりますが、オンラインだとそれを言語化する必要がある。でもこれって店頭の接客にも生きるし、デジタルでの発信力も増幅します。この特集が、より多くの人がデジタルツールを活用するきっかけや最初の一歩になればうれしいです。
横山:僕は長くECやデジタルを取材してきたけど、「3DCADを使って、服を3Dでデザインするようになる」と5年前に聞いていた未来が、もう当たり前になってきている。というか、現場を取材すると思っていた以上にDXが進んでいて、パタンナーもプレスも働き方も変わっていて驚きました。
美濃島:でも、あくまで先進事例を取材しているからで、資本力も必要ですし、ついていけない企業は大変でしょうね。格差が広がりそうです。
横山:経営判断が大事だね。僕は「アメリカンラグシー」を日本で展開するレオン・インターナショナルを取材したんだけど、もともとアパレルOEM(受託製造)会社だったのが、かなり早くから3DCADを導入して、3Dデータが得意な会社として事業の幅が広がっていて。海外の大手アパレルからも受注しているそう。中小企業でもデジタル化を進めることで、新規ビジネスを得るきっかけにもなると実感しました。
美濃島:確かにそうですね。まず始めてみないことには、何も起こりませんね。
横山:その通り。特集でもいろいろな事例やDXをアシストする企業を紹介するけれど、2月20日にセミナーも実施します。オンラインで無料視聴できるので、ぜひたくさんの方にご参加いただきたいです!