新型コロナウイルスの感染爆発が経済を直撃した中国だが、EC(電子商取引)は依然として成長を続けている。中国国家統計局は2023年1月27日、主要経済統計を発表した。2022年の経済成長率3%という低水準にとどまった。産業別に見ると、サービス業(第三次産業)の成長率は2.3%と一段と低い水準にある。小売外食売上高(社会消費品小売総額)は前年比マイナス0.2%、2020年に続き統計市場2回目のマイナス成長を記録している。
まさに苦難の一年となったわけだが、この逆風の中でもEC販売額(実物商品ネット販売額)は前年比6.2%増と高成長を続け、EC化率(小売に占めるネット販売の比率)は実店舗販売が不調だったこともあって、2.7ポイント増の27.21%に達している。
日中のEC化率を比較すると、中国の異次元的成長ペースがよくわかる。なぜ、中国のECはここまで強いのか。中国小売業の弱さ、商業施設のテナント料の高さなども要因ではあるが、中国ECが新たな形態を作りつつ、その顧客を広げてきたという側面も大きい。本稿ではその構造を読み解いていきたい。
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