百貨店主要5社の2023年1月度売上高は、おしなべて1〜2割の増収だった。免税売上高の回復が押し上げ要因になっている。中国人観光客が戻らない中でも韓国、台湾、香港からの来店が増えており、三越伊勢丹と阪急阪神百貨店は免税売上高がコロナ前の実績を上回った。
各社の前年同月と比較した1月の売上高は、三越伊勢丹が26.8%増(20年同月比11.2%増)、高島屋が17.2%増(同微減)、大丸松坂屋百貨店が20.8%増(同5.4%減)、そごう・西武が11.1%増(同3.7%減)、阪急阪神百貨店が21.6%増(19年同月比2%減)。
三越伊勢丹の1月の免税売上高は19年同月比1.7%増。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店が大きくけん引した。国籍別の購買額シェアでは、台湾が最も大きい。「ラグジュアリーや時計などの高額品のほか、ワインやお菓子などの土産需要も高い」と同社広報。阪急阪神百貨店も韓国、香港などから来店が増えており、免税売上高は19年同月実績を上回った。阪急本店は1月単月としては過去最高売上高となった。
中旬以降は寒波の影響もあり、重衣料がよく動いた。「婦人・紳士コートの購買が活発だった」(大丸松坂屋百貨店)。クリアランスセール後は春夏の正価品へ需要がシフトしており、「薄手のコートや、卒入学ニーズでジャケット・ドレスも動き始めた」(三越伊勢丹)との声が聞かれた。