世界的なテキスタイル見本市「第36回 ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」が1月31日〜2月2日に、イタリア・ミラノで開催された。2022年のイタリアテキスタイルの総売上高は、前年比32.4%増の81億ユーロ(約1兆1477億円)で、パンデミックからの回復に留まらず過去5年間で最高を記録した。ラグジュアリー市場が活況を呈するなか、メード・イン・イタリーへの需要があらためて高まっている。475社のテキスタイルメーカーや服飾資材メーカーが、欧州を中心に有力ブランドのデザイナーや企画担当者に、24年春夏シーズン向けの製品を提案する。
「カノニコ(CANONICO)」で知られるヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VITALE BARBERIS CANONICO)のトップでもあるアレッサンドロ・バルベリス・カノニコ(Alessandro Barberis Canonico)=ミラノ・ウニカ代表は、「世界中からバイヤーが戻ってきている。メンズもウィメンズもクラシックに回帰しており、私たちが得意とするラグジュアリーな素材が今まさに求められている。世界的なラグジュアリー市場の伸びに合わせて、私たちもサステナビリティとイノベーション、クリエイティビティーを追求しながら前進し続けたい」とコメントした。
2024年春夏のテーマは、“スーパーパワー(SuperPower)”。コントラストを効かせたカラーパレットや異素材の組み合わせで人々の気持ちを高揚させる素材がそろった。ステファノ・ファッダ(Stefano Fadda)=クリエイティブ・ディレクターは、「混沌としている世の中だからこそ、人々に自分を突き動かすエネルギーを感じてほしいと思った。新しいポジティブなアティチュードを伝えたい」と話す。
トレンドブースでは、“パワー オブ アクション(THE POWER OF ACTION)”“パワー オブ ソート(THE POWER OF THOUGHT)”“パワー オブ エモーション(THE POWER OF EMOTIONS)”の3つのコンセプトで打ち出した。いずれも共通してジャカードやシアサッカー、エンボス加工などで立体的な表面感が目立つ。ラミネート加工やラメ糸を用いた光沢感は、それぞれのコンセプトに合わせた輝度で提案する。オーガンジーやメッシュ、チュールレースなどの透け感は継続するが、フェミニンな提案だけでなく、ジェンダーレスに応用できる点がポイントだ。
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