スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやをアトモスの本明秀文CEOに聞く連載。「超円安」や「値上げラッシュ」「スタグフレーション」、そして「日本沈没」など、連日目にする不況のワード。高過ぎるスニーカーに消費者は手が出ず、ここ数年長く続いたスニーカーブームがまるで嘘だったかのように、スニーカー業界は今、氷河期を迎えようとしている。熱狂とはなんだったのか?熱しやすく冷めやすい僕たちに、また熱狂は訪れるのか?(この記事はWWDジャパン2022年10月10日号からの抜粋です)
本明秀文CEO(以下、本明):世界的なインフレで、世界中のお金の量が減ってきて、国債の値段が上がってきた。今日が10月1日。ナイキの株価が80ドル台まで落ち込んでいる。年初が160ドル台だったから、たった9カ月で企業価値が半減した。ナイキだけじゃなく、アディダスもプーマも同様に落ちている。
――最近よく「スニーカーブームは終わった」と言われますけど、不景気なのはスニーカー市場だけではないですよね。
本明:世の中全体だね。リーマンショックやコロナで、長らく刷りまくったエクストラマネー(余分なお金)がなくなってきて、とうとう不景気モードに突入した。果たしてこのまま下がり続けるのか、どこかでストップするのか。本(著書)に書いた通りの世界になってきたね。
――常々「2年間は景気が停滞する」と言ってますけど、なぜ2年なんですか?
本明:例えば、一部の企業が円安で生産拠点を日本に置こうとしているけど、それは雇用増や生産増につながり日本経済にはプラスだという見方もある。でも、これは構造改革だから新しい仕組みを作るには1年間ではできず、2〜3年かかる。だから2年後ぐらいからまた少しずつ回復してくるかもしれない。
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