ユニクロは2月7日、同社のグローバルブランドアンバサダーを務める車イステニスのプロプレーヤー、国枝慎吾選手の現役引退会見を有明本部で行なった。「一番の思い出は東京パラリンピックでの金メダル。(選手人生で)相手との戦い、自分との戦いだけでなく、車イステニスをスポーツとして世の中に知ってもらいたいという思いが強くあったが、東京パラリンピック後はスポーツとして認知されたという手応えがあった」と国枝選手はコメントした。
会見には、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も登壇。「(国枝選手は)勝つことに徹底的にこだわり、がむしゃらで明るい。人間として尊敬できる人。(現役引退した)これからが人生の本番であり、今後も最大限応援したい。日本は残念ながら今閉塞状態にあるが、その中で若い人たちが将来に希望を持って進んでいくためのロールモデルとして頑張ってほしい。世界中の困っている人、中でも子どもたちや若い人の力になれるようなことを、これから事業として国枝さんと一緒にできたらと思っている」と発言。自社の社員に国枝選手から何を学んでほしいかと聞かれると「挑戦する姿勢。国枝選手は車イステニスという一つのスポーツのジャンルを確立した。それは新しい産業を作るということにも通じる」と答えた。
国枝選手は1984年2月21日生まれの39歳。2007年に史上初となる車イステニスの年間グランドスラムを達成し、以来計5回の年間グランドスラムを達成。現行グランドスラムは計50勝で、車イステニスで最多。パラリンピック・シングルスでは金メダルを北京(08年)、ロンドン(12年)、東京(21年)の3回獲得している。ユニクロとは初のグローバルブランドアンバサダーとして09年に所属契約を締結し、競技用やトレーニング用ウエアを提供するなどサポートを受けてきた。ユニクロは14年から、国際テニス連盟が世界40カ国以上で開催する「ユニクロ車いすテニスツアー」のタイトルスポンサーも務めている。