三井不動産が大阪府門真市に建設中の商業施設「三井ショッピングパークららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」の開業日が4月17日に決定し、報道陣向けの説明会が8日に行われた。
同社が運営する2業態を合体した初の複合商業施設で、立体駐車場棟を含めた延床面積は約19万6800平方メートルになる。店舗棟の1・3階に「ららぽーと門真」、2階に「三井アウトレットパーク大阪門真」を配置し、「日常的な便利さとハレの日の非日常をかけあわせて新たな買い物体験を提供することで、さらなる相乗効果を狙う」(三井不動産商業施設本部リージョナル事業部の相澤宏輔氏)。
テナント全251店舗のうち、ららぽーと門真には大阪初出店19店舗、新業態11店舗を含む153店舗が出店する。3月12日に閉館する三井アウトレットパーク大阪鶴見の移転・拡張と位置づける三井アウトレットパーク大阪門真には、海外ブランドからスポーツブランドまで関西アウトレット初出店17店舗を含む98店舗が出店する。
ミナミの黒門市場をモールに再現
ららぽーと門真の1階には、フロアの半分にあたる約9600平方メートルに食の一大ゾーン「門真うまいもん街」を配置する。その中央に、開場200周年を迎えた大阪・日本橋(にっぽんばし)の黒門市場公認の市場が約2500平方メートルの広さで誕生する。黒門市場に店を構える精肉店「牛兆」や創業118年の水産卸「深廣」、老舗カレー店「ニューダルニー」など11店舗のほか、惣菜などの食物販6店舗が加わり、大阪らしい活気ある雰囲気を演出する。物販スペースにもイートインコーナーを併設する。
1000席超の座席を備えた3階のフードコート「フードテラス」には、関西初の4店舗を含む16店舗が出店する。屋上につながる吹抜け空間や外部テラス席もあり、開放的な空間を演出している。コンセント付きの個人席では、パソコンやタブレットなどの使用も可能だ。
ファッションゾーンの注目テナントは、日本再上陸する米ファッションカジュアル「フォーエバー21」の1号店だ。アダストリアが日本市場向けに商品開発と店舗運営を手がけ、サステナビリティや社会貢献を強く意識したグローバルブランドとして打ち出していく。
三井アウトレットパーク大阪門真の店舗数は、移転・拡張によって大阪鶴見の約1.5倍の93店舗に拡大する。合計店舗面積は約2.2倍の約2万200平方メートル、1店舗あたりの平均面積も約1.4倍の約254平方メートルになる。「ラルフローレン ファクトリーストア」「ユナイテッドアローズ」などが新たに加わり、シンガポール発の「チャールズ&キース」など4店舗が日本のアウトレットに初出店する。「アメリカンラグシー」など13店舗が関西初出店となる。フロア内には、カフェ業態として、ラルフローレンのカフェ「ラルフズ コーヒー」と、「ジェラートピケカフェ」も出店する。
リアルな体験価値を提供する目的で、屋内外にイベント広場を設けている点も注目だ。4階屋上の「空の広場」は、子供が安心して遊べるキッズプレイゾーンとステージを備えた多目的広場などで構成する。アウトドアブランド「ロゴス」の新業態「ロゴスカフェ&ヒロバ」が出店し、キャンプの疑似体験も楽しめる。1階中央の吹き抜けに設けられた「センターコート」には、大型ビジョンが設置され、スポーツやエンタメのイベントが開催される予定。メインエントランス前の「くすのき広場」にはくつろぎの空間を作り出した。
アウトレット併設で広域から人を呼ぶ
門真市はパナソニック(旧松下電器)が本社を置く城下町として知られる。両施設もパナソニックのAV関連の研究開発拠点の跡地の再開発で生まれた。立地は近畿自動車道門真ICの近く。主要幹線道路の国道163号と大阪中央環状線にも面しているほか、京阪本線・大阪モノレール線の門真市駅からも徒歩園内にあり、大阪市内や北摂エリアからのアクセスもいい。2029年には施設直結のモノレール新駅も開業の予定だ。
同一空間内にアウトレットを導入した理由について、相澤氏は「マーケット的に成立するだろうと判断したことと、大阪鶴見が開業から30年近く経過して建物が老朽化し、大規模な改装が必要になったから」と話す。
基本商圏が10km圏の「ららぽーと」と、車で約45分の広域からの集客を狙える「三井アウトレットパーク」が一体化することで、「ファミリーを中心に幅広い客層を集客できる」(相澤氏)とみており、出店テナントの期待も高まっている。