2023-24年秋冬シーズンのコレクションサーキットがメンズを皮切りに開幕した。今シーズンも有力ブランドはテーラリングをベースにしたフォーマルスタイルで、エレガンスとストリート、デコラティブとミニマルの4つの方向に多様化。狭いゾーンでブランドが多数ひしめき合う中、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は突き抜けたエレガンスが奏功し、鮮烈なインパクトを残した。
また、フォーマルでは「プラダ(PRADA)」と、「ロエベ(LOEWE)」「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、「服作りの本質に立ち返る」という点で共鳴。ベーシックなメンズ服を極限までミニマルにそぎ落とし、シャープで構築的なシェイプや、素材感を際立たせたウエアを最小限のアイテムでスタイリングすることで、メンズウエアのデザインの再定義を図る。
テーラリングの哲学的なアプローチとは別に、カウボーイやカレッジ、グランジなど、アメリカを想起させるキャッチーなスタイルも台頭。特に、ミラノ勢はフリンジをあしらったウエスタン要素が多く、カジュアルな「ディースクエアード(DSQUARED2)」からモードな「フェンディ(FENDI)」まで、多くのブランドがモダン・ウエスタンを取り入れた。アレッサンドロ・ミケーレ退任後、初のショーとなった「グッチ(GUCCI)」も1970年代のハリウッドスターを描くなど、アメリカ市場を意識したクリエイションも目立った。
MAISON MARGIELA
ミッキーマウスが着想源
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