ワコールホールディングス(HD)の2022年3月〜12月連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比10.7%増の1439億円、営業損益が18億円の赤字(前年同期は61億円の黒字)だった。
国内ワコールは、売上収益が同10.9%増の746億円、営業利益が同47.2%増の50億円だった。既存顧客による購買は順調に推移し、高価格帯が好調だったが、新規客獲得とボリュームゾーン販売が苦戦し旧大阪事業所の売却益30億円を計上した。
海外ワコールは、売上収益が同11.9%増の497億円、営業損益が80億円の赤字だった。米ワコールが19年に買収したインティメーツ・オンラインの業績悪化に伴い、のれん代など約101億円の減損損失を計上した。欧州は回復基調にあったが、米ワコールの全般的な不調と中国ワコールのゼロコロナ政策下の行動制限により、実店舗、EC共に苦戦した。ピーチ・ジョン事業は、直営店は好調に推移したが、ECはマーケティングの効果が得られず前年実績を割り、売上収益が同1.0%減の90億円、営業利益は同40.0%減の8億9600万円だった。
ワコールHDは昨年11月に続き、23年3月期の連結業績予想を下方修正した。修正後は売上収益が1900億円(修正前は2000億円)、営業損益は55億円の赤字(修正前は80億円の黒字)、純損益は40億円の赤字(同80億円の黒字)を予想する。創業以来初の最終損益を見込んでいる。
昨年11月に発表した国内ワコールの早期退職制度である“フレックス定年制度”に関しては、約250人の募集に対して155人が応募した。この特別運用に伴う費用は約7億円。