「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」の2023年秋冬コレクションが、ニューヨーク時間の2月10日に発表された。会場となったのはアメリカンアートの発信地としても知られるホイットニー美術館。会場前には今回のコレクション用にカスタマイズした「ケイト・スペード」タクシーが駐車し、コレクションへのワクワク感を煽った。ちなみにこのラッピングされたタクシーは、ニューヨーク・コレクションの期間中の16日までマンハッタン中を走るという。
会場に横に設けた小さなスペースの部屋は壁からゆか、天井までグリーンに塗られ、壁にはグリーンのバッグがディスプレイされていた。そこで配られた米「WWD」の表紙にも同じ色のグリーンと幾何学模様がプリントされ、「Kate spade Green」「Color developed by PANTONE」という文字が。そう、ブランド設立30周年を記念し、パントーン社とコラボレーションした新しいシグネチャーカラーとなるグリーンのお披露目も兼ねているわけだ。創業当初から大切に用いてきたグリーンは、ブランドのヘリテージを大切にしながら、モダンになった。深みのあるグリーンは上質な抹茶を想像させる上品な色味で、日本人には親近感のある色のように思えた。
プレゼンテーション会場に足を踏み入れると、大きな窓からは太陽の光が差し込み、ハドソン川を臨むニューヨークならではの景色が目の前に広がった。ひな壇のように作ったステージの上にはグリーン、ブルー、イエロー、ピンクなど、鮮やかな色の新作をまとったモデルたちが並んでいる。ウィメンズのライフスタイル部門デザイン責任者のトム・モーラ(Tom Mora)とレザーグッズ&アクセサリー部門デザイン責任者のジェニファー・リュウ(Jennifer Lyu)が手がけたコレクションは、シャイニーなスパンコールのミニドレス、光沢感あるパテントのジャケット&スカート、ボリュームたっぷりのエコファーのストールと素材はさまざまだが、プリントや大胆な刺しゅうで幾何学模様を施し、ポップで軽やかな印象を与えている。
「今季のストーリーは、この季節がもたらす普遍的な喜びの感覚、つまり新たなエネルギーの感覚を呼び起こします。それは真っ白なキャンバスのようなもので、新しい何かの始まりです」と、トム・モーラとジェニファー・リュウ は語った。再び装うことへのワクワク感を表現したというコレクションでは、色を巧みに取り入れ遊び心を加えたアイコニックなバッグも見逃せない。30周年を迎えた「ケイト・スペード ニューヨーク」はブランドのDNAを継承しながら若さのあるフレッシュな感覚を取り入れ、人生の予測できないワクワク感をコレクションで表現している。