「アレキサンダーワン(ALEXANDERWANG)」がニューヨークで2月8日(現地時間)、ウィメンズの2023年プレフォールとフォール、そして再開するメンズコレクションを発表した。20年に性的暴行疑惑が持ち上がって以来、中国でのビジネスに力を入れていたワンのニューヨークでのコレクション発表は、3年ぶりとなる。
コレクションのテーマは「Cupid’s Door(キューピッドの扉)」。ニューヨーク復帰となるコレクションを祝い、ワンを支えた全ての人たちに対する愛と感謝の気持ちの扉を開けたということなのだろうか。真っ赤なベルベットのカーテンで覆われたチャイナタウンの会場は、ハートを模したゼブラ柄のフロアがステージのように広がり、ピンク色のライトで照らされたセンシュアルな空間だ。
3部構成のショーは、ウィメンズからスタート。ファーストルックはボリューム感のあるリュクスなエコファーコートに光沢感のあるパイソン柄のクロップドパンツにランジェリーが覗く、マスキュリンとフェミニンが融合したスタイリング。デニムとエコファーのコンビネーションコートやエコファーとフェイクレザーのコート、ボクシーなテーラードジャケットにはタイドアップした白いシャツに真っ赤なパイソンのペンシルスカートをコーディネートするなど、対比を強調したスタイリングだ。パワーショルダーのオーバーサイズのジャケットとローライズのワイドパンツのセットアップからはボクサーパンツのディテールが覗き、プラットフォームのピンヒールを合わせるなど、メンズのクラシックなアイテムにエロティシズムのスパイスを加えている。ランジェリードレスとテーラードコートの組み合わせ、ピンクの空間を歩く真っ赤なリップのモデルなど、さまざまな手法で二面性を強調する。
メンズコレクションはオーバーサイズのジャケットやスエットに光沢感のある素材やアニマルプリントのワイドパンツをコーディネート。ストリートやアスレチックディテールを取り入れたアイテムに高級感のある素材を使用することで官能的な一面も表現。ラグジュアリーなストリートスタイルを完成させた。
ラストパートのウィメンズでは、官能的な要素がますます強調されていく。コルセットやランジェリーディテールを取り入れたドレスにはシルクのフリンジを大胆ににあしらい、オーバーサイズのテーラードジャケットやメンズライクなパンツをコーディネート。後半は歩くたびにフリンジが揺れるセンシュアルなドレスが続き、胸元にハートをあしらったドレスも登場。リアルクローズから繊細なドレスまで、ウィメンズ、メンズ合わせて58ルックを発表。200人以上のプレス関係者が駆けつけ、ワンのアメリカでの復帰を印象付けた。