ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2022年12月期連結決算は、主力ブランドの「ポーラ(POLA)」「オルビス(OLBIS)」の売り上げ減が影響し、売上高が前期比6.9%減の1663億円だった。営業利益は同25.5%減の125億円、経常利益は同21.3%減の149億円だった。FUJIMIののれん減損損失19億円を計上したものの、H2OPLUS清算に伴い法人税の調整額が44億円減少したため、純利益は同2.5%減の114億円にとどまった。
事業別ではビューティケア事業の売上高が同7.2%減の1616億円だった。「ポーラ」は、高価格帯の“B.A”シリーズが増収、エステの売上高も第4四半期が今期最大となり回復傾向にあるものの、売り上げ構成比65.7%を占める委託販売チャネル(対面型販売)の顧客数減が響き、売上高が同8.9%減の963億円となった。「オルビス」は、エイジングスキンケアシリーズ“オルビスユー”のシワ改善・美白ケアアイテムが好調に推移。減少傾向にあった顧客数は改善傾向にあったものの、前年同期の水準を回復に至らず、売上高が同1.7%減の384億円だった。
「スリー(THREE)」を擁するACROは、外部ECプラットフォームの売り上げ増や自社EC停止の影響が一巡し、国内EC事業が回復基調にあるほか、構造改革を進め損失改善に努めたが、売上高が同13.4%減の73億円。「ジュリーク(JURLIQUE)」はオーストラリアと中国、アジアを中心としたトラベルリテールを強化。香港を除く全ての地域で前年を上回る実績となり、売上高が同5.6%増の83億円だった。
23年が最終年度となる中期経営計画では、国内ダイレクトセリングの進化や海外事業の利益ある成長、育成ブランド(「スリー」「ディセンシア(DECENCIA)」「フジミ」)の利益貢献、経営基盤強化、新ブランド・「美」に関する領域拡張、を掲げるが、育成ブランドの利益貢献以外は堅調に推移する。経営基盤強化では、連結売上高の2%以上を研究開発へ投資し独自性ある新剤型研究と高付加価値商品開発が進行。新ブランド・「美」に関する領域拡張では、美容医療など新良識での事業検討が複数進捗している。
23年12月期連結決算は、国内事業の成長トレンドを加速し、海外事業拡大に向けた体制の再構築を進め、売上高が前期比8.2%増の1800億円、営業利益が同20%増の151億円、経常利益が同1.2%増の151億円、純利益が同12.6%減の100億円を見込む。