既報の通り、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターに、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が就任した。初のコレクションは6月、パリ・メンズ・ファッション・ウイークで発表予定という。
「驚きの人事」だろうか?確かにファレル・ウィリアムスという人選には驚いたが、ファッションだけじゃない、アートや音楽シーンでも活躍するアーティストの起用には、正直驚かなかった。
洋服を愛する人にとっては、「デザイナーって、なんだろう?」という疑問が頭に浮かぶ人事かもしれない。けれどもこの人事は、「ルイ・ヴィトン」というブランドの規模感や役割、現在に至るまでの経緯を考えると、納得できる点も多い。ここでは、そんな話をしてみようと思う。
世界最大のラグジュアリーは
「洋服好き」だけじゃダメ
まず一番大事なのは、「ルイ・ヴィトン」が世界最大のラグジュアリー・ブランドという点だ。その売上高は、2022年には200億ユーロ(2兆8000億円)を突破している。これだけ売り上げるには、もはや「洋服好き」に支持されるだけではダメ。「アート好き」や「音楽好き」「ファッションを含むカルチャー好き」にも興味・関心を持ってもらえない限り、世界中の、老若男女に愛され、3兆円に迫る売上高を叩き出せるブランドにはならないのだ。また誰もが知っているからこそ、誰もがワクワクする人選が求められるブランドとも言えるだろう。
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