アイエヌイー(I-ne)は16日、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。ヘアケア・美容家電領域の継続成長を基盤に、スキンケア拡大とグローバル展開の成長加速により、25年12月期の売上高550億円(22年12月期は353億円)、営業利益率13%(同9.2%)を掲げる。3カ年で原価や物流、販促の費用構造を段階的に見直し営業利益率の改善を図る。また、28年12月期から30年12月期を目処に売上高1000億円、営業利益率15.0%を目指す。
具体的な事業戦略は、ヘアケア系カテゴリーは既存ブランド「ボタニスト(BOTANIST)」「ヨル(YOLU)」「ドロアス(DROAS)」においてボディーケアラインやエイジングケアラインなど新商品を投入しブランド拡張を図り、年平均成長率10%を目指す。また、同社の強みであるデジタルマーケティング力を生かしてヘアケア領域の新ブランド開発も進める。同社によると、2年以内に売上高10億円規模達成をヒットとした場合、近年のヒット率は75%まで再現性を上げているという。これらにより、25年12月期の売上高355億円(22年12月期は235億円)を目指す。
美容家電カテゴリーは、基幹ブランドの一つである「サロニア(SALONIA)」の主力商品、ヘアドライヤーとヘアアイロンの市場シェア拡大を図るとともに、EMS美顔器や洗顔ブラシなど中〜高価格帯の商品も拡充する。25年12月期の売上高は140億円(22年12月期は93億円)を掲げる。
スキンケアカテゴリーは、昨年買収した「リンクフェード(WRINKFADE)」を定期購入の新規顧客数拡大と商品ラインアップ拡充により25年12月期の売上高55億円(22年12月期は25億円)を目指す。また、「リンクフェード」のノウハウを生かして現在スキンケア領域で約10ブランドの開発を進めており、今後は新たな注力カテゴリーとして強化する。
グローバル事業は、中国でライブコマースを中心とする新戦略を実施予定。ドラッグストア大手ワトソンズやアリババ(ALIBABA)が運営するECサイト「Tモール」での販売に継続的に取り組む。また好調な台湾を強化する。米国ではアマゾン(AMAZON)でテスト販売を開始した。グローバル事業の25年12月期の売上高は30億円(22年12月期は9億円)を目指す。