REPORT
80年代の東京カルチャーから着想を得たポストパンクの世界観
英国発のプレミアムカジュアルブランド「オールセインツ(ALLSAINTS)」が、「メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク 東京(MBFWT)」でインスタレーションを行った。会場内にはロックが鳴り響き、複数設置したモニターからは日本で撮影したカルチャー色が強いムービーが流れる。ウィル・ビードル「オールセインツ」クリエイティブ・ディレクターはムービーについて「数日前に来日し、感じたままを撮影した。すぐに見せたかったから急いで編集したんだ」と話す。
16-17年秋冬は“リモート コントロール”をテーマに、ビードルが好む80年代の東京カルチャーから着想を得たコレクション。クリーンなミリタリースタイルを軸に、濡れたネオン管をイメージしたプリント、雨に濡れてにじんだようなレオパード柄など、映画「ブレードランナー」のような退廃的な都市のイメージを素材やディテールで表現した。そこにモヘアのコートやオーバーサイズのアウター、ポインテッドトゥのブーツやフィッシュネットのソックスで、ポストパンクのムードを加える。メンズはクリーパーシューズとミリタリーブーツを組み合わせたデザインのブーツや、ボリューム感のあるアビエイタージャケットなどのミリタリーアイテムが豊富だった。
発表形式をインスタレーションにした理由について、ビードルは「ランウェイショーはスペクタクルなアートで素晴らしいものだ。しかし『オールセインツ』は、色々なディテールを見せられるプレゼンテーションの方が合っている。このブランドは僕の生活の一部なので、たくさんの人にその世界観をじっくり体験してほしい」と語った。