ドレイク(Drake)と21サヴェージ(21 Savage)が「ヴォーグ(VOGUE)」を模倣した雑誌(以下、偽「ヴォーグ」)を製作し、アルバム“Her Loss”のプロモーションに利用したことが商標権侵害や不当表示などにあたるとして、「ヴォーグ」出版元のコンデナスト(CONDENAST)が両名およびドレイクのPRを担当するヒルチック・ストラテジーズ(HILTZIK STRATEGIES)を相手取り、400万ドル(約5億3600万円)の損害賠償などを求めて提訴した件について、このほど和解が成立した。
和解の条件は明らかにされていないが、米「WWD」が入手した社内メモには、今回の「金銭的和解」が「『ヴォーグ』を含むエディトリアルのクリエイティブなアウトプットを強化するだろう」と記載されている。ヒルチック・ストラテジーズからのコメントは得られなかった。
ドレイクは自身のインスタグラムアカウントに偽「ヴォーグ」の写真を投稿し、「ヴォーグ」の公式アカウントおよび同誌の編集長であるアナ・ウィンター(Anna Wintour)に対して「歴史的瞬間をサポートしてくれてありがとう」とコメントしていた。これに対してコンデナストは「『ヴォーグ』もアナ・ウィンターもアルバムのプロモーションに一切かかわっていない。また、コンデナストは偽『ヴォーグ』を製作し展開することについて承認も支援もしていない」と訴状で述べている。
コンデナストは当初、広告宣伝を差し止める旨の仮処分命令を申立てており、裁判所は「ヴォーグ」の訴えを認め、偽「ヴォーグ」の使用や陳列、配布、流通などの行為を禁止する仮処分命令を下した。これを受けてドレイクらは、偽「ヴォーグ」に関するSNS上の投稿を削除していた。