アダストリアはこのほど、全国店長会議を横浜・みなとみらいで実施した。「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」など傘下ブランドの店長約3000人が参加。同会議のリアル開催は、コロナ禍を挟み3年ぶりとなった。
冒頭、壇上に立った福田三千男会長は参加者にマスクを外すことを求め、「これまで企業として最も大切にしてきたのは皆さん(スタッフ)の安心な生活を守り育てることだ」と語った。「アダストリアの70年の歴史は決して順風満帆ではなかった。だが常に新しい変化に挑戦し、生き残ってきた」とし、これまでの企業の歩みをプレゼンテーション形式で紹介した。紳士服業態に端を発し、チェーンストアオペレーションやOEM・ODM型生産、商品企画・生産を内製する「垂直統合型SPA」への移行といった、ビジネスモデルの“4つの変化”を振り返り、「創業70周年となる今期は、企業として5回目のチェンジの年にしてほしい」と呼び掛けた。
福田会長からバトンを受けた木村治社長は、「この1年で、アダストリアは“グッドコミュニティ共創カンパニー”へ生まれ変わる」とし、5回目のチェンジに向けた具体策を説明。「Z世代や郊外型ロードサイド商圏を狙ったビジネス開発」「自社EC『ドットエスティ』の顧客接点強化」「中国の再強化と東南アジア進出」を主な重点戦略として掲げた。
後半は、昨年からアダストリアが社内向けに実施している、競合他社や異業種の経営者を招いた講演イベント「グッドコミュニティ経営塾」を実施した。木村社長と松崎善則ユナイテッドアローズ社長、「ディーンアンドデルーカ(DEAN & DELUCA)」などを運営するウェルカムの横川正紀社長が鼎談した。理想の店長像について「店舗の地域性を引き出し、“違い”を表現することをポジティブに引っ張れる人」(横川社長)「自分で全部をやろうとせず、スタッフのパフォーマンスを考えてイキイキさせられる人」(松崎社長)などと意見を交わした。