Fashion. Beauty. Business.

TOPICS

インフルエンサー熱、アチチのチ

 遅ればせながら、私もファッション・ウイークに参戦!でございます。現地で気づいたのは、これまで以上のインフルエンサーへの熱量です。前回よりも、数倍アツい気がします。ファンはもちろん、ブランド側の気合もすごいし、メディア側のSNSにかける想いもアツい。いずれも火傷しそうなほどで、この熱波から身を守る術は、自分も同様の熱量を帯びるしかない!そんな感じです。

 もちろん、ファンの裾野拡大には絶大な効果です。一方で、興味の対象が本質と乖離したり、使い捨てのように消費されてしまったりの側面には注意を払いたいものです。どのブランドが、誰が、そして誰のファンが、ファッションの楽しさを素直に表現して、業界を盛り上げてくれるんだろう?そんなことを考えながら、ミラノチームからインフルエンサー取材のバトンを受け取ろうと思います。

「WWDJAPAN」編集長
村上 要
NEWS 01

「プラダ」の静かな反戦、「マックスマーラ」の癒しのコート、お騒がせ「GCDS」に巨大ネコ 【2023-24年秋冬ミラノコレ取材24時Vol.3】

 2023-24年秋冬ミラノコレクションの2日目は天気にも恵まれて順調な進行です。ショーから発信されるメッセージには「さあ、日常を取り戻して楽しもう!」と盛り上がる陽気さ8割、戦争への不安感2割が入り混じっています。トレンドに浮上しているのが “アウターの重ね着”という謎のスタイリング。「なぜ?」の答えを終了までに見つけたい!ちなみに、ミラノの街ではマスクをしている人は一日に3人くらいしか見かけません。

2月23日(木)
9:00「サントーニ」

 メンズシューズの印象が強い「サントーニ(SANTONI)」がウィメンズの、しかもヒールシューズを本格強化。シグネチャーのダブル・バックルをアレンジしてデザインを広げています。ピカピカのレザーはパテントかと思いきや、独自のなめしの技術で艶を出しているそう。パテントではない分、柔らかくて履きやすいとか。厚底ローファーは今季の一大トレンドです。

9:30「マックスマーラ」

 18世紀にフランスで活躍した科学者であり思想家の女性、エミリー・デュ・シャトレ(Emilie du Chatelet)侯爵夫人がインスピレーション。女性は「家の中」が当たり前だった時代に哲学者ヴォルテール(Voltaire)の恋人でもあった彼女は男たちとも議論を交わし、ウィットの富んだ発言で世論をリードしたとか。現代のSNS上で影響力を持つインフルエンサーのような存在ですね。彼女は周囲の男たち、公証人や士官、侯爵たちの服にインスピレーションを受けたファッションを好んだそうです。

 オーバーサイズのメンズ服を自分サイズにアジャストしたようなパンツスタイルはまさに、そのイメージです。シャトレ侯爵夫人の存在は多くの人が知らないでしょうが、こういったショーをきっかけに知って調べて知る。それってとても楽しいこと。女性をエンパワメントし続けるブランドならではのアプローチです。それにしても、なんて触り心地が良さそうなコートやセーター!時差ぼけの頭には「あれに包まってうたたねしたい」という願望が湧いてきます。

10:30「ヴァレクストラ」

 パンデミックによる自粛生活が長くなりすぎて「そう言えばお出かけバッグ持っていなかった」と気が付いたあなたへ、「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」から女性の24時間をイメージした8つのシリーズが登場です。仕事にはかっちりバッグ、週末にはモコモコバッグなどカラフルにそろいます。

12:00「サ ス フィ」

 元「ヴァレクストラ」 CEOのサラ・フェレロ(Sara Ferrero)がアパレルブランド「サ ス フィ(SA SU PHI)」を立ち上げたと聞き、閑静な住宅の一室での展示会へ。サラは世界で活躍してきたいわゆるスーパーなキャリな持ち主です。なぜ自身のブランドを?と聞くと「世界の人口の52%もいる女性は、ビジネスの世界ではある意味、最大のマイノリティ。女性による女性のためのスーパーパーソナルな表現をしたかった」とメード・イン・イタリーの桜色の服を手に熱く語ります。いろんな経験がここに凝縮されているのね。上質素材・仕立てのシンプルなデザインがそろいます。

12:30「「アンテプリマ」

 今季のキーカラーのひとつは水色に決定かも、と思ったショーが「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」です。軽やかなハイゲージニットや透ける素材のレイヤードがきれいで、中でもパフスリーブの水色ニットが印象的です。

14:00「プラダ」

 ショーが始まると頭上から大量の百合の花がゆっくりと下がってきて、ショーが終わるころには百合の良い香りが会場を包んでいました。登場したのはミリタリーや看護師の制服をベースにした服。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)からの「武器より花を」のメッセージが静かに、クリアに伝わってきます。

 肩章など軍服のディテールをたくさん使いながら、それらをラフ・シモンズらしい削ぎ落したシルエットに落とし込むことで、反戦のメッセージを静かに届けています。ナースの帽子を想起させる白い花がスカートや首元を飾り、軍服ゆえネクタイはシャツのボタンの間にしまうなどリアリティを細部で表現。ダッフルコートなどは背中にダウンを入れることで丸みを出しており、何かから「防護」するかのよう。手仕事が欠かせない、オートクチュールのような仕事です。静謐なだけに腹の底で唸る怒りと諦めない何かが伝わってくる、素晴らしいコレクションでした。

15:00「エムエム6 メゾン マルジェラ」

 急浮上しているトレンド、“レイヤード”を決定付けたのがこちら「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」。リリースからそのまま引用すると「ネイビーの薄い裏地がついたシャツには、分厚いレザーの袖が付いています。テーラードウールのブレザーは、前身頃に箔押し加工が施され、ラペルの上に折り重なるリブのタンクトップのディテールを除くと、従来のテーラードジャケットのラインに沿ったシルエットになっています。キャメルのウールオーバーコートの襟から見えるフードは、実は、取り外し可能なスカーフで、 ストレートレッグのブルージーンズからのぞくボクサーショーツのウエストバンドは、ジーンズに内蔵されており、ドローストリングで締めることができます」。

 はい、ありがとうございます。見ただけでは分かりません!もはやパズルです。あれやこれや、着ることを存分に楽しむことができそうですが、オンラインではどうやって説明するのかな?バックステージでの着用風景を動画で紹介するのが一番分かりやすそうです。

16:00「エンポリオ アルマーニ」

 着る人のために服をデザインする、は「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」の一貫した姿勢です。ショーで見せる服と言っても、話題喚起や演出ではなく、主役はあくまで着る人。プレタポルテメーカーとしてのポリシーが明確なのです。それを象徴していたのは、会場に飾られていた大きな笑顔の女性の写真です。ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)さんは女性にこうあってほしいのでしょう。メンズウエアをアレンジしたミニドレスや絵画をそのまままとったようなカクテル、ジョッパーズスタイルはまさに日常のための服です。

17:30「フルラ」

 今回のミラノコレ担当は二人ともサステナビリティ担当でもあります。「フルラ(FURLA)」が生分解性のレザーを使った限定バッグを発表と聞いて駆けつけました。「レザーってそもそも生分解するでしょ」と突っ込んでくれた読者のみなさま、おっしゃる通り。化学薬品を使って染色をすると、革自体が土に還ったとしても染料は残りますからね。われわれもその言葉の意味が知りたく、生産に関わったタンナーの方に根ほり葉ほり聞きました。一言で言えば、古来の製法にヒントを得て、化学薬品に頼らないなめし・染色を採用しているということ。そのための研究を重ねたそうです。サステナビリティと技術革新はやはり切っても切れない関係です。詳細は後日リポートしますね。

18:30「ミラ・ショーン」

 「ミラ・ショーン(MILA SCHON)」がフランス人デザイナー、マルク・オーディベ(Marc Audibet)を迎えてコレクションラインを再出発。カトリック教会の荘厳な雰囲気の中、仕立てのいい服が並びました。1955年生まれのマルクは、「エルメス」など数々のブランドで経験を積んだ知る人ぞ知るデザイナーで、どこか高田賢三さんを想起させます。会場では物腰柔らかに来場者に挨拶をして回っていました。

19:00「モスキーノ」

 「モスキーノ(MOSCHINO)」で壁をぶち抜いたような入り口から出てきたのは、インパクト大なモヒカンヘアのモデルたち。パンキッシュなムードと大ぶりなビジューをちりばめた豪華なドレスの組み合わせは、亡きヴィヴィアン•ウエストウッド(Vivienne Westwood)のあだ名だった「パンクの女王」という言葉が浮かびます。ヴィヴィアンへのオマージュかと思いましたが、そうではなく、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)の作品が着想源。歪んだハウンドトゥース柄のセットアップや大きなスパイクが突き出たドレスなど、シュールレアリスムとパンクを融合させました。

20:00「GCDS」

 セクシーな肌見せスタイルは「ディーゼル」でお腹いっぱいと思っていましたが、「GCDS」の来場者も負けずおとらず、きらびやかなパーティースタイルのヤングたちが集結していました。会場には、「不思議の国のアリス」に出てくるチシャ猫のような、ちょっと不気味な雰囲気の巨大猫が出現。デザイナーのジュリアーノ・カルツ(Giuliano Calza)が実際に飼っている猫がモチーフだそうで、今季は家の中にいる自然体な自分と向き合って生まれたコレクションとのこと。キャッチーな猫の顔型のバッグも登場しました。

トップページに戻る
NEWS 02

スリ多発のミラノ スマフォを守りながら「フェンディ」「エトロ」「オニツカタイガー」【2023-24年秋冬ミラノコレ取材24時Vol.2】

 2023-24年秋冬ミラノコレクション初日の後半は、注目ブランドが目白押しでアドレナリン放出が止まらず。あらゆる角度から情報収集をするため、ショー前はセレブリティの撮影に全力、ショーが始まったらメモ取りに集中、フィナーレではSNS用に動画撮影に徹しています。切り替えの速さは、われながら職人の域です。ちなみにミラノはスリが急増中。もしiPhoneを紛失したら取材が終わってしまう!から、常時首から下げています。日本にいるSNSチームと連携してインスタグラムツイッターTikTokをタイムリーに更新していますので、そちらと合わせてご覧ください!

2月22日(水)
14:00 「フェンディ」

 さあ、待望の「フェンディ(FENDI)」です。キム・ジョーンズ(Kim Jones)のアートディレクター的きゅう覚、時代を捉える観察眼に注目しています。今回のショーではきれいなブルーとラップディテールを取り入れたトラウザーが印象的ですが、それはフェンディ家の4代目、1987年生まれのデルフィナ・デレトレス・フェンディ(Delfina Delettrez)が「フェンディ」に入社した日に着ていた服からヒントを得たそうです。しかもそれは「フェンディ」の服ではなく、ローマで修道女のための服を販売している店で買ったとか。彼女はその自由な発想で、母であるシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)から借りた服とミックスして楽しんだのですね。

 キムによる「フェンディ」のベースには“働く女性”へのリスペクトがあると思います。推測ですが、キムはアーカイブ研究と同じくらい、「フェンディ」で働いてきた人、働いている人たちをしっかり観察しているのではないでしょうか。ファッションデザイナーとしてユニークなアプローチですが、結果的にリアリティのある服が誕生しており、今後世界中の働く女性から支持を得ていくことになると思います。もう一点、カール・ラガーフェルド時代のムードもあるな、と思ったら1981年と1996年のコレクションも着想源になっているそうです。

16:30 「マルニ」展示会

 2月に東京でショーを行った「マルニ(MARNI)」の展示会へ。カラフルでそれ一着を着るだけで何者かになれる服がズラリと並んでおります。全ルックを近くで見て気が付いたのは「MARNI」というロゴ使いのバリエーションの多さ。多くのブランドは、ロゴのフォントなどを徹底的に統一することでイメージ統一を図りますが、「そんなの関係ない~」とばかりに超小さかったり、くにゃくにゃ曲がっていたりと自由奔放です。実にフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)らしい。小さくて大きい発見ができたから展示会に駆け込んでよかった!

18:00 「ヌメロ ヴェントゥーノ」

 ショーの始まりを待つ間、隣に座ったAMIAYAと「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」について、さらには「ハイヒールが女性にもたらすものは何か?」についてディスカッション。そして彼女たちから聞いたキーワード「危うい色気、絶妙な色合わせ」を体現する今シーズンのショーとなりました。透ける素材使いなど肌の露出は多いものの、だからといって異性に媚を売っているのとは違う。思わず触れたくなる柔らかいニットが多数登場するのですが、背中を見たら大きなサソリ(に見えた)のブローチが飾ってあり「安易に触れるな、危険」のメッセージを無言で発しています。平田かのんさんが着て歩いた緑と茶とベビーピンクなど絶妙な色合わせもどこか挑発的。いずれも自分自身をしっかり持っている女性ゆえの色気、です。目指したいですね。

19:00 「ディエチ コルソ コモ」×「ジョルジオ アルマーニ」

 セレクトショップ「ディエチコルソコソモ(10 Corso Como)」と「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」の2度目のコラボレーションはちょっと想定外でした。いかにもアルマーニ、な端正なジャケットやコートがデニム仕様でフレッシュ。白シャツに合わせるネクタイは390ユーロで約5万6000円。3月に限られた店舗で発売するそうで、旅先で選ぶプレゼントにもよさそう。

20:00 「エトロ」

 ミラノは歴史が長いブランドが多く、1968年創業の「エトロ(ETRO)」もその一つ。昨年CEOとデザイナーが交代し、新体制となっています。新デザイナーのマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)にとっては、十分に準備の時間があったこの2シーズン目こそ勝負。何を見せてくれるのか、会場にはその真価を問おうとする緊張感と期待が混じった空気がありました。

 結果は、ブラボー!でした。会場は17世紀に建てられた屋敷パラッツォの回廊で、ひんやりとした夜の空気が気持ち良い。客席には一人ひとつ、柔らかくて大きなブランケットが用意され、テキスタイルメーカーとして創業し、今もイタリア製の生地にこわだる「エトロ」の強みをさっそく体感です。

 先週、東京でマルコにインタビューした際、彼は「僕の頭の中にはイタリアの生地メーカー、それぞれの強みが全部入っていて、花柄だったらあのメーカー、シルクならあちら、のようにアイデアがすぐに出てくる」と話していました。次々に登場する、花柄やタータンチェックなどの服を見てその言葉に納得。「エトロ」といえば、のペイズリー柄もフレッシュな表現となって登場です。各ルックの奥にそれぞれの産地の職人のプライドを見た気がしました。マルコが背負っているのは「エトロ」ファミリーだけじゃない、イタリアのファッション産業そのものなんですよね。

 流れるようなシルエットやデフォルメしたジャケットなど、今季は形への挑戦も目を引きます。イタリアファッションのもう一つの強み、仕立ての技術が今季は生かされる、ともマルコが話していたことを思い出しました。

21:00 「オニツカタイガー」

 日本のブランド「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」ですが、会場の雰囲気は完全にインターナショナル。特に韓国やシンガポール、インドネシア、マレーシアなどなど、アジアからのインフルエンサーが大集合で、アジア各国に直営店を多数出店している「オニツカタイガー」のビジネスの背景が反映されていました。こんな風にグローバル展開している日本のブランドは稀有です。

 イタリア人デザイナー、アンドレア・ポンポリオ(Andrea Pompilio)は、彼なりの日本解釈を必ずコレクションに注いでおり、今回はそれがレイヤードの作り方に反映されていました。重ね着は今季のミラノの一大トレンドですが、その手法はさまざまで「どう重ねるか」にブランドの個性が反映されていて面白い。アンドレアは着物からヒントを得たそうで、ゆったりとしたフォームの中で、軽やかな素材のアイテムをレイヤードしています。前から見るとテーラード、後ろから見ると透ける生地のキルティングなど、前後で異なるデザインも特徴的です。

 オーバーサイズのダウンは日本の「ザンター(ZANTER)」とのコラボ。「ザンター」は1956年の第一次南極観測隊から長年、日本の遠征チームにダウンウエアを提供してきた日本初のダウンウエアブランドで、その第1次チームに防寒靴を提供していたのが「オニツカタイガー」。つまりは、志を共にするパートナーなのです。私ごとですが、自分の父は60年代の南極観測隊のチームメンバーだったので、その話を聞き、なぜ今も父がダウンをこよなく愛するのかピンときて、密かに涙腺がゆるみました。本気で作られた物は手にした人の物語と重なり、袖を通す機会が減ったとしてもその魅力が色あせることはないですよね。

トップページに戻る
NEWS 03

初日から過密進行 「ディーゼル」は20万個のコンドームでポップに挑発!【2023-24年秋冬ミラノコレ取材24時Vol.1】

 2月22日に2023-24年ミラノコレクションが開幕しました。1月のメンズに続いて「WWDJAPAN」は取材を詰め込める限り詰め込んで、現地からリアルな空気とともに速報をお届けします。中国からの取材陣が戻ってきたこともあって、会場はどこも熱気があり、それに応えるように気合の入ったショーが多く、見ごたえ十分です。初日から過密進行につき、1日を2回に分けてお届けします。それでは前半のハイライトをどうぞ!

2月22日(水)11:00
「ウィークエンドマックスマーラ」「マックスアンドコー」

 ミラノの街を歩くと広場を囲む店がほぼ丸ごと「マックスマーラ」グループの店だったりして、その存在感の実感します。今朝は「ウィークエンド マックスマーラ(WEEKEND MAX MARA)」がイギリスのスタイリスト、ケイト・フェランと、「マックス アンド コー(MAX&CO.)」が日本でもおなじみのファッションアイコン、アンナ・デロ・ルッソ(Anna Dello Russo)と、それぞれカプセルコレクションを発表。ケイトは白シャツの襟の立て方が粋で、アンナは発表したペンシルスカートが似合う相変わらずの美脚でした。

12:00 「ブルネロ クチネリ」

 2月27日発売予定の「WWDJAPAN」の売れ筋特集「ビジネスリポート」でも、いくつかの百貨店が売り上げ上位に上げている「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」の展示会へ。聞けば20代から40代の若手経営者やタレントさんにファンが増えており、その影響力が大きいとか。女性は靴からユーザーになる人が多いそうで、今季はローファーに注目。長く着られる上質な服が多いのがミラノの特徴ですが、その代表格ですね。ほおずりしたくなる素材、思わず二度見する職人技が満載でした。勝手な妄想ながら、石田ゆり子さんが似合いそう。

13:00 「ディーゼル」

 今、ミラノで最もアツいのがグレン・マーティンス(Glenn Martens)による「ディーゼル(DIESEL)」でしょう。挑発的な着こなしの来場者多数、のため、会場前のスナップ隊のボルテージが時間の経過とともにうなぎ上りです。そしてショーはそれ以上に挑発的。会場中央には20万個!のコンドームの箱が山積みで「安全なセックスをもっと楽しもう!」と盛大なメッセージを送ってきます。それってつまり、大きなLOVE、のメッセージですよね。

 ショーでは肌見せ×デニムのルックが続き、その生地の斬新さに目を奪われます。肌見せと言っても素肌は極々薄い生地で覆われており、レーザーカットなど高度な加工技術が施されていることが分かります。ニカ~っと笑った人の口元のクローズアップのプリントなど、ポップでちょっとグロテスクなアイデアが随所に。SNSで切り取りたくなる要素が満載です。サステナビリティの取り組みにも超本気である点も、サステナ担当としては見逃せません。

13:30 「ホーガン」

 
 トッズグループの「ホーガン(HOGAN)」が、今秋から日本に再上陸と聞き、展示会へ。ターゲットは「H世代」。「HOGAN」のHから取った造語で、つまりはヤングです。価格も「トッズ」より抑えています。レザースニーカーで有名な同ブランドですが、今季はそのスニーカーの素材を使った厚底がポイント。スニーカーソールのローファーが売れそうです。めっちゃ軽い!

 本日はここまででお休みなさい。22日の後半もお楽しみに!

トップページに戻る

最新号の読みどころ

「WWDJAPAN Weekly」最新号
詳細を見る

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課題になっています。「DX特集」では、様々な事例やキーパーソンへのインタビューを通して、新時代を生き抜く術を学びます。