ビューティ

ユニリーバがヘアケアブランド「スアーヴ」の北米事業を売却 ポートフォリオ整理の一環で

 ユニリーバ(UNILEVER)はこのほど、低価格帯ヘアケア・パーソナルケアブランド「スアーヴ(SUAVE)」の 北米事業を投資会社のイエロー・ウッド・パートナーズ(YELLOW WOOD PARTNERS)に売却すると発表した。売却額など条件は明らかにされていないが、取引は第2四半期に完了する予定。米国とカナダ以外では、引き続きユニリーバが「スアーヴ」ブランドを保有する。

 「スアーヴ」は他ブランドに先駆けて1930年代にサロン品質のヘアケア商品を一般大衆に販売したことで知られる。近年業績が振るわず、直近一年の売り上げは低迷。調査会社IRIのデータによると、コンディショナーの売り上げは前年同期比2ケタ減、シャンプーも同1ケタ減と落ち込んだ。同ブランドはボディーケア商品や制汗剤も販売しているが、ヘアケアがメイン商材のため大きな痛手となった。

 イエサイ・エグルストン・ブレイシー(Esi Eggleston Bracey)米ユニリーバ社長兼北米ユニリーバ・パーソナルケア最高経営責任者は今回の売却について、「当社のポートフォリオを戦略的成長へ移行するための新たな一歩だ。『スアーヴ』は長く愛され続けているブランドで、北米において新たな所有者の下、引き続き成長し消費者に貢献していくものと確信している」と述べた。

 イエロー・ウッド・パートナーズのデイナ・シュマルツ(Dana Schmaltz)=パートナーは「『スアーヴ』は、ブランドが持つ資産価値やヘリテージはかなり大きく、ヘアケア・ボディーウォッシュ・制汗剤カテゴリーにおいて最も価値があるブランドだ。現在のような不況では低価格帯の商品が家庭の強い味方になるはずで、正しい投資をすれば成長できる」とコメント。今後はデジタル・マーケティングへの投資を強化するという。

 イエロー ウッド パートナーズにとって、ここまで大規模なマスヘアケアブランドを買収するのは初めて。「『スアーヴ』は年間2.5億個の商品を販売するメガブランド。ユニリーバのような大企業のインフラから引き継ぐのは決して簡単ではない」とシュマルツ=パートナー。イエロー・ウッド・パートナーズは低価格帯の美容・パーソナルケアブランドに注力しており、フットケアブランド「ドクター・ショール(DR. SCHOLL'S)」やメイクアップツールブランド「リアル テクニック(REAL TECHNIQUES)」などを擁する。17年にはバス・ボディーケアブランド「ティールズ(DR. TEALS)」などを展開するウエルネス・パーソナルケア企業PDCブランズ(PDC Brands)を英投資会社CVCキャピタル・パートナーズ(CVC CAPITAL PARTNERS)に売却した。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。